ザウバー、喜びの声(4/4) 「これまででいちばん強かったと思う」
地元スペインの期待を受け、予選で気合の走りを見せたペドナ。レースでは可夢偉と作戦をわけ、柔らかいタイヤを選択した。
その4ペドロ・デ・ラ・ロサ(可夢偉のチームメイト)
「これまででいちばん強かったと思う」
—-レースはチームメイトのタイヤ戦略に合った展開となってしまいました。可夢韋がハードタイヤでスタートし、あなたが最初にソフトタイヤを使うという作戦が、逆ならばよかったのにと思いませんか?
ペドロ・デ・ラ・ロサ(以下、デ・ラ・ロサ)そんなことはない。タイヤの戦術を別々にしているのは、さまざまな状況に対処するためなんだ。スタート前からどんな展開になるかなんて、誰にも判らない。グリッドの後方からスタートしなければならない状況で、ひとつの作戦にすべてを賭けるわけにはいかない。周りと同じことをやっていたのでは、何も得るところがないから。
—-これまでのレースと比べて、C29の性能はどうでしたか?
デ・ラ・ロサ: バレンシアでは、これまででいちばん強かったと思う。今回の変更で低速コーナーの性能が良くなり、リヤが安定した。おかげでリヤタイヤの寿命も伸びている。バレンシアで使ったニューパーツは、間違いなく良い後方へ向うものであり、非常に重要だった。ただし、予選の状況を見ると、まだまだやるべきことはたくさんある。
—-せっかく獲得した1ポイントを、その夜のうちに失うことになるとは思わなかったでしょうね?
デ・ラ・ロサ: まったくその通り。ステアリングホィール上のディスプレイにはセーフティカーのことが出ていなかった。セーフティカーは僕が最終コーナーを抜けている時にコースへ出てきたんだ。スピードの出るコーナーだし、レース序盤だから、他のマシンと競り合いながら走っていた。ピットに入るよう言われていたので、無線で交信している最中でもあった。他にも8人のドライバーがおなじ状態だったから、誰かがディスプレイに反応してスピードを落していれば、クラッシュ事故が発生していたことだろう。結局、僕は2.8秒速すぎたということで、ペナルティを科せられることになった。以前には、同じ違反をしてペナルティを免れたドライバーもいるけどね。しかも9人が同じミスをしたということは、なにか特別な理由があったということだろう。ペナルティが5秒というのにも驚いた。ドライブスルーにおよそ相当するペナルティは20秒だろう。