[INDY] 第9戦ワトキンス・グレン 決勝
ウィル・パワーがポイントリードを拡大する今季3勝目。
2010年IZODインディカー・シリーズは第9戦を迎えた。今回のレースがちょうどシーズンの折り返し点となる。
7月4日はアメリカの建国記念日。インディカー・レースはアメリカでも屈指の伝統を誇るロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルで開催された。今週末のニューヨーク州西部は清々しい好天に恵まれ、抜けるような青空の下で60周のレースにグリーン・フラッグが振り下ろされた。
ポール・ポジションからスタートしたウィル・パワー(Team Penske)は、予選と同じ速さをレースでも見せつけ、悠々とトップを走り続けた。
レースが終盤に突入してから行われた2回目のピットストップで、パワーはチームメートのライアン・ブリスコー(Team Penske)に先行を許した。しかし、リスタート直後のバックストレッチで豪快にパス。ゴールが近づいてから2位へと浮上して追いすがって来たダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)を突き放し、そのフランキッティを抜いて2位へとカムバックして来たブリスコーに1秒2181の差をつけて今季3勝目を挙げた。
予選14番手からスタートした武藤英紀(Newman/Haas Racing)は、燃料消費を抑えながらハイペースを保って戦い続け、12位でゴールした。マシンセッティングはまだまだ向上させるべき部分が多いが、厳しい状況下でこそ達成すべき完走を武藤はワトキンス・グレンで果たした。
佐藤琢磨(KV Racing Technology)はレース序盤にふたつポジションを落としたが、ディクソンとカストロネベスの後退があって4番手へと浮上。表彰台を目指した戦いが期待された。ところが、1回目のピットストップに時間がかかって6ポジションもダウン。コースのコンディションとマシンセッティングがマッチせず、中団に埋もれてからはスピードに乗った走りを見せることができず、15位でのゴールとなった。
次戦はカナダ、トロントでのストリートレースだ。13戦まではロードコース及びストリートなど仮設ロードサーキットでの戦いが5レース続けて行われる。
武藤英紀(12位)
「スタート時よりふたつ順位を上げてのゴールとなりました。12 位という結果は満足のいくものではありませんが、完走できないレースが続いていたので、次以降のレースにつながるものにできたとは思います。今日のレースは燃費セーブが重要で、100%の速さで走ったラップはありませんでした。その点では歯がゆいレースでしたが、ライバルの後ろを走っている間に学んだこともありましたし、次のトロントに向けていいステップになったと思います」。
佐藤琢磨(15位)
「序盤は上位で戦うことができましたが、最初のピットストップで後れをとりました。レース中盤に装着したハード・コンパウンドのプライマリー・タイヤでスピードが乗らずに苦労しました。2回目のピットストップは無線での交信で誤解があって、そこでもポジションを大きく落としました。レース終盤にはソフト・コンパウンドのタイヤで順位をばん回しましたが、その前までに失ったものが大きすぎました。今回何が悪かったのかを研究し、次のレースにつなげます」。
順位 No. ドライバー チーム タイム/差
1 12 ウィル・パワー Team Penske 01:40:27.4391
2 6 ライアン・ブリスコー Team Penske +1.2181
3 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing +2.6754
4 2 ラファエル・マトス de Ferran Dragon Racing +8.0208
5 32 マリオ・モラレス KV Racing Technology +9.3229
12 6 武藤英紀 Newman/Haas Racing +20.2279
15 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology +28.8774