どっちが得か、スタート重量
今年からスタート時点の重量が公表されることになった。マレーシアGPのスタート時点の重量は、それぞれ下の表の通り。
どのチームのマシンも、605Kgの最低重量をオーバーしているクルマはない(バラストを載せて重量を調整している)ことが予測されることから、公表される数字から、概ねのガソリン搭載量を読み取れる。
◆670Kg以下か以上か
何をもって軽いか重いかを決めるのは難しいが、[STINGER]では、670Kgをひとつの基準にしてみることにする。軽めの重量なら燃料がそれだけ少なく、つまり早めるにピットインすることになるが、スタートを含め、第一スティントでの”身軽さ”を武器にする考えだ。
反対に重めの燃料を積んでいるドライバーは、序盤はじっくり走りぬいて、終盤に重きを置いている。
マレーシアGPで最も軽いのはベッテル+トロ・ロッソの647Kg。燃料搭載量は、42Kgと算出できる。ガソリンの比重は成分によって、0.65~0.8といわれるから、0.75で計算すると、約32リットルの燃料を積んでスタートすることになる。
ベッテルは予選3番手のタイムを記録したが、開幕戦での過剰なアタックで10グリッドダウンのペナルティを受けて13番手グリッドからのスタートになるが、序盤で一気に追い上げる作戦だ。スタート後の1コーナでベッテルがどこにいるか注目される。
ちなみに、燃料は1周辺り2リッターを消費する計算でいけば、ベッテルの最初のピットインは、15周目辺り、ということになる。
◆中嶋一貴は後半戦重視型
一方、最も重いのがハイドフェルド+BMWザウバーの692.0Kg。後方からのスタート、ポジションを守って第一スティントを走り、周囲のマシンがいなくなり、かつ自身が燃料が軽くなったところで、ペースを保って順位を稼ぐ作戦だ。マッサ+フェラーリ=689.5Kg、ハミルトンとコバライネンのマクラーレン=688.0Kg、アロンソ+ルノーの680Kg、ピケ+ルノーの681.9Kgなどがこの作戦組。中嶋一貴の683.4Kgもここに入っている。じっくりポジションをキープして、後半で追い上げるレースが期待できる。
中嶋一貴は、60リッター近い燃料でスタートすることになり、30周くらいまでひっぱれる計算になる。また、セーフティカーが入ったり、雨が降った場合、レースは混乱するが、多目の燃料を積んでおけば、作戦を切り替えるマージンを持つことが可能になる。
■マレーシアGP スタート重量 | ||||
順位 | ドライバー | 車両重量 | ||
1 | バトン+ブロウンGP | 660Kg | ||
2 | トゥルーリ+トヨタ | 656.5Kg | ||
3 | グロック+トヨタ | 656.5Kg | ||
4 | ロズベルグ+ウィリアムズ | 656.0Kg | ||
5 | ウェバー+レッドブル | 656.0Kg | ||
6 | クビツァ+BMWザウバー | 663.0Kg | ||
7 | ライコネン+フェラーリ | 662.5Kg | ||
8 | バリチェロ+ブロウンGP | 664.5Kg | ||
9 | アロンソ+ルノー | 680.50Kg | ||
10 | ハイドフェルド+BMWザウバー | 692.0Kg | ||
11 | 中嶋一貴+ウィリアムズ | 683.4Kg | ||
12 | ハミルトン+マクラーレン | 688.0Kg | ||
13 | ベッテル+レッドブル | 647.0Kg | ||
14 | コバライネン+マクラーレン | 688.9kg | ||
15 | ボーデ+トロ・ロッソ | 670.50Kg | ||
16 | マッサ+フェラーリ | 689.5Kg | ||
17 | ピケ+ルノー | 681.9Kg | ||
18 | フィジケラ+フォース・インディア | 680.50Kg | ||
19 | スーティル+フォース・インディア | 655.5Kg | ||
20 | ブエミ+トロ・ロッソ | 686.5Kg |