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小林可夢偉 レース後 会見全録 ハンガリーGP

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◆”サカナ”になった可夢偉は、たった一周で7台をパスした!
—-23番グリッドからのスタートで、一周目が大事だったと思いますが?
可夢偉
 そうですね、ほんとに、ポジションアップできたんで・・・。あと、リスタートのあとで、シューマッハを抜けたのがよかったと思います。

—-スタート前には、どんな戦略を?
可夢偉
 いや、戦略というか、どれだけ一周目に(他車を)抜いてくるかによって変わってくるので。(一周して)新チームの前に(抜け出して)いたら、そのまま走るけど、前に誰か(新チームの遅いクルマ)がいたらピットイン(してルーティンのタイヤ交換を)する。(それを決めていて)そういう意味では、たまたま、うまく行きましたね。

—-どうやって、一周目に7台抜いたか、聞貸せてください。
可夢偉
 ”フィッシュ”ですよ、例の!(笑)

—-1コーナーまでに3台抜いて、そのあと、2コーナーまでにさらに4台抜いているけど?
可夢偉
 いや、みんなが、なんかフラフラっとしてるときに、ぼくは”フィッシュ”なんで。

—-魚のように、ピッピッと。2コーナーでのポジション取りは、すごく巧かった!
可夢偉
 かなり、”微妙”でしたけどね!(笑)

—-微妙というのは?
可夢偉
 いや、けっこうリスキーで! どっちかが変に動いたら、当たりそうですからね。

—-狙ったところへ行って?
可夢偉
 狙ったというか、空いてるところへ・・・。

—-リスキーというのは、リスクを背負ってもとにかく行くということ?
可夢偉
 そんなわけじゃないけど、”危ない”けど、でも、あそこで行かなかったら”レースじゃない”ということで。

—-柔らかい方のタイヤをスタートで選んだのは、最初にポジションアップするからということで?
可夢偉
 そんなことないです、あんなポジション(予選23番手)にいたから、戦略も何もなくなっちゃって。結果オーライ、ですね。

◆クルマの仕上がりは、決してよくなかった
—-クルマは、今日になっても改善しないだろうということでしたが、クルマ自体は?
可夢偉
 うーん、よくはなかったですね。

—-昨日まで感じてた違和感のまま、レースはしていた?
可夢偉
 そうそう! 

—-前にバトンが来たときには、また来たな、いいことあるなと思った?(笑)
可夢偉
 仲、いいな、と(笑)。

—-ミハエル(シューマッハ)とも仲いいよね?(笑)
可夢偉
 最近、ね!(笑)

◆シューマッハの”下心”を見透かして!
—-セーフティカーが出たあとで、ミハエルを抜いたのは?
可夢偉
 1コーナー。

—-それは、狙い通り?
可夢偉
 狙ってなかったけど、単純に、(彼が)ワケのわからんことしてたから(笑)。

—-どういう風にコーナーに入って行った?
可夢偉
 けっこう、(差が)開いてたんですけど。その前のコーナー、最終(コーナー)の「出方」がね、フラフラじゃなくて、(彼は)全部インベタできなかったんです。

—-なるほど!
可夢偉
 たぶん、向こう(メルセデス)の方が、まっすぐ(ストレート)速いというのがわかってるから、とりあえず、あそこ(最終コーナー)を抑えておけば、(ぼくに)抜かれへんやろ、という気持ちで(彼は)行ったんです。逆に、だから(ぼくは)ドーン!と行って。

—-ハイ、さよなら〜!・・・と?(笑)
可夢偉
 (そうやって直線に)上がっていったら、最初は、こっちの(非力な)エンジンパワーで離れるけど、最終的に一緒になって、最後は、これやったら何とか頑張れるな、と。向こう(シューマッハ)も(セフティカーの後ろをゆっくり走ったことでタイヤもブレーキも)冷えてるから、ブレーキで、プッシュしたくないはず。で、ぼくは、そのまま。

—-素晴らしい! 最後はしてやったり、という感じ?(笑)
可夢偉
 彼らしい(笑)。そういう、ちょっと、えげつない感じ。

—-ルーベンスは、彼を抜くときに非常に際どかった。
可夢偉
 (あとでビデオ見たけど)危なかった! あれ、ヤバいですよ、ペナルティですよ!

◆バトンを追っていたときに、何を考えていたのか?
—-23番手から9位フィニッシュになったんだけど、自分としては、やることをやったら、こうなった、というだけ?
可夢偉
 そうそう!

—-クルマが本調子ではないなかで、シューマッハを後ろに従えて走ったが大変だった?
可夢偉
 それより、バトンについて行く方が(もっと重要で)。あの時点で、バリチェロがまだピットに入ってないから、(自分と)バリチェロとの差を広げられないようにしないと。ピットストップで、逆転される可能性があったから! 

ミハエルの後ろだったら、(ぼくは)助かるけど。(バリチェロが)ミハエルの前に出て来られたら、向こう(バリチェロ)は”クリーンエア”(前が空いていて自由に走れて、ラップタイムを稼げる)で、ニュータイヤで、ぼくは抵抗できないから。だから、それだけはないように、と思って。

—-だから、バトンと離れないようにして?
可夢偉
 (頷いて)とりあえず、離れないようにして! ラッキーなことに、シューマッハが離れていったから。あそこでペースダウンして、ミハエルと一緒だったら、ぼくも抜かれたかも。

—-これで、かなりいい気分で、夏休みに入れる?
可夢偉
 とりあえず、助かった!(笑) 日本に帰ると、期待も大きいので。とりあえず、(このリザルトで)おいしくお酒を飲めるでしょ?(笑)

—-チームとしても、いい結果で?
可夢偉
 いいカタチで! 初めてじゃないですか、二台ともポイント取ってというのは。

【STINGER / text by Iemura Hiroaki】
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