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「R31」解説とスペック

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R31

イエローからブラック&ゴールドにカラースキームが変わった以上に、中身は変化を遂げていそうだ。ノーズを高くしたとか、リヤ・サスペンションをプルロッド式に変更したとかいったことが些細な変更点に思えるほど、革新的な技術が隠れていそう。成功するかどうかはわからない。が、革新的、いや、過激であることは確かだ。

俯瞰で捉えた写真を眺めるとわかりやすい。注目はリヤ。ボディ後端を絞り込んでリヤウィング直前の空間容積を大きく確保し、ここにクリーンかつ大量の気流を流し込む考えは、近年のF1設計の定石。R31の設計も定石どおりだ。サイドポッド上面が後方に向かって傾斜しているのも、近年のトレンドにのっている。リヤブレーキの冷却ダクトを利用したらしい空力付加物がタイヤの内側に見えるが、革新的なのはそれではない。

見当たらないのだ。エキゾースト・マニフォールド(排気管)の出口が。マルチ・ディフューザーが禁止になったのと合わせて、ブローン・ディフューザーの排気をディフューザーに取り込む設計もできなくなった。それでも、排気管の出口を低くレイアウトし、高速の排気をフロア上面に沿って流し、引き抜き効果でもってディフューザーの効果を高めることは可能。だが、2010年の方式より効果は薄くなる。

ならば、フロアの前方から高速の排気を吹き込んでしまえ、と大胆な設計を取り込んだのがR31のようなのである。昨年のブローン・ディフューザーは正確にはエキゾースト・ブローン・ディフューザー(ディフューザーに排気を吹きつける)だったが、R31が採用した方式はエキゾースト・ブローン・フロア(フロアに排気を吹きつける)構造だ。フロア全体の流速を上げて、強大なダウンフォースを発生させようという発想である。

現時点で得られている情報からは、具体的な構造は不明。フロアに穴を開けることは規則上許されていないことを考えると、排気をフロアの前方から吹き込んでいることになるが、果たして……。

【STINGER / Text by Kota Sera(世良耕太)】

■シャシー
型式: R31
モノコック: ルノー・F1・チーム製カーボンファイバー&アルミニウム・ハニカム・コンポジト・モノコック
エンジン: RS27-2011 V8エンジン
サスペンション: カーボンファイバー製プッシュロッド式トーションバー(ダブル・ウィッシュボーン)
ホイール: OZ

■トランスミッション
ギヤ・ボックス: セミ・オートマチック・チタニウム・ギヤ・ボックス(クイックシフト)
ギヤ: 7速+リバース
燃料システム: ATL製燃料タンク(ケブラー強化ゴム)
冷却システム: セパレート・オイル&冷却水ラジエーター
エレクトロニクス: MES-マイクロソフト・スタンダードECU
ブレーキ・システム: AP Racing製カーボンディスク、パッド、キャリパー/AP Racing & Brembo製マスターシリンダー
コックピット: シート(カーボン・コンポジット)/OMP製6点式ハーネス・シートベルト/ステアリング(ギヤ・チェンジ&クラッチパドル)

■サイズ
トレッド(前): 1.450mm
トレッド(後): 1.400mm
全長: 5.100mm
全高: 950mm
全幅: 1.800mm
重量: 640kg(ドライバー、カメラ、バラスト込み)

大きい写真はこちら(WEB専用ページです)。
http://www.f1-stinger.com/f1-data/2011/team/renault/photo_gallery/
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