レーシングポイント→アストン・マーチン→メルセデス、そしてホンダ?!
企業がF1チームを持つ、またはスポンサーをする最大の目的は、ブランドイメージの構築だ。そのイメージの狙うところは、企業によって異なるが、例えば、トヨタ自動車を例にとると、こんな傾向が見える。
25年前のトヨタは、安心できるけれどどこか年寄り染みている、というイメージがあった。そこを脱却するために、当時の奥田碩社長が打ち出したのが、富士スピードウェイの買収とF1参戦だったといわれる。若さとスポーツのイメージは、その後豊田章男社長に受け継がれ、さらに加速して現在にいたる。いまのトヨタをじじくさい、と思う人はかなり減ったのではないだろうか。
一方、メルセデスのイメージはどうかといえれば、同じドイツのBMWに比べると、ユーザーの年齢は高く見える。Aクラスやスマート、EクラスやCクラスのデザイン若返り気効果は感じられるが、よく言えば大人のイメージは今でも根強く残っている。
さて、現在、メルセデスを搭載するレーシングポイントが、2021年にアストンマーチンに名称変更するという噂とともに、もうひとつの噂が聞こえてきた。メルセデスが2020年一杯でF1を撤退するというものだ。
そして、メルセデスがホンダから召し捕った(正式には1ポンドで買った)ブラックリーの施設を、そのままアストン・マーチンが引き継ぐ、という。
アストン・マーチンといえば、2017年のジュネーブ・モーター・ショーで話題を集めたレッドブルとアストンマーチンの合作、アドリアン・ニューウェイが手がけた最新鋭のハイパーカーお思い浮かべる。
2019年7月にシルバーストンを走ったカラーリング(タイトルの写真)を見ると、カラーリングが、2019年F1シーズン前、新車レッドブルRB15のお忍びテストで使われた“折り紙”を参考にしたと言われるカラーリングそのものだった。
ということは、レーシングポイントを買い取ったアストンマーチンが本拠地にするのが、ホンダからメルセデスが譲り受けたブラックリーのあの場所、ということになる。
レッドブルとホンダの契約は2020年に切れるが、さて、ここに積まれるエンジンは一体?!
【STINGER】
photo by REDBULL / DPC Car/