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「RB7」 解説とスペック

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RB7

2009年に導入された大幅なレギュレーション変更が、レッドブルにとっての転機になった。レギュレーションが安定していれば、長く参戦し、技術を蓄積したチームが有利になる。2008年までの状況がそうだった。ところが、状況が大きく変わった途端、培ったノウハウを生かす領域は狭くなる。逆に、レッドブルのような経験の浅い新興チームにとってはチャンスで、新しいレギュレーションを上手に解釈すれば、一気にトップコンテンダーに躍り出ることができる。

2009年のレッドブルがまさにそうだった。前年のコンストラクターズ・ランキング7位から2位に躍進してみせたのである。ただし、他チームが編み出したマル・チディフューザーに出遅れたのが誤算。2009年のRB5はプルロッド式リヤ・サスペンションを採用してリヤデッキを低く抑えた点が特徴だったが、これはレギュレーションを額面どおりに解釈した、(マルチではない)シングル構造のディフューザーを前提にしていた。

2010年のRB6は当初からマルチ・ディフューザーを備えていたが、元々前提にしていなかった構造を、時間をかけて上手になじませたにすぎなかった。マクラーレンが先鞭を付けたFダクトに追随する必要に迫られたものの、逆にブローン・ディフューザーは他チームに先駆けて採用。差し引きゼロどころか一歩も二歩もリードして、ダブルタイトルを獲得した(最終戦での逆転劇だったが、マシンの純粋なパフォーマンスでは常に最上位だった)。
2011年のRB7は、RB5、RB6の延長線上にある。新世代レッドブルのバージョン3といった位置づけだ。マルチ・ディフューザーの禁止は、元来この構造を前提としていなかったレッドブルには有利。ブローン・ディフューザーの設計に関しても一日の長がある。不安要素は導入初年度の2009年に採用を見送ったKERSの使い方だろうか。可変リヤウィングも不確定要素だが、空力デバイスの使い方に長けていることは、近年の成績が証明している。あとはピレリタイヤをうまく使いこなせるかどうか。というより、ドライバーの管理を含めたチームのマネージメントが心配の種……。

【STINGER / Text by Kota Sera(世良耕太)】

■シャシー
型式: RB7
モノコック: コンポジット・モノコック構造
トランスミッション: 縦型7速ギヤ・ボックス/油圧式パワーシフト&クラッチ・オペレーション
クラッチ: APレーシング製
ホイール: OZレーシング製
ホイール径(前): 12インチx13インチ
ホイール径(後): 13.7インチx13インチ
タイヤ: ピレリ P Zero
サスペンション: アルミ合金製アップライト/カーボン製ダブル・ウィッシュボーン/スプリング&アンチロールバー/マルチマチック製ダンパー
ブレーキ: ブレーキ・キャリパー/ブレンボ製ディスク&パッド(カーボン)
燃料: Total製

■エンジン
型式: ルノー RS27-2011
気筒数: 8
排気量: 2400 cc
最大回転数: 18.000 rpm
バルブ数: 32
バンク角: 90°
構造: アルミニウム製シリンダー・ブロック内蔵
エンジン制御: FIA標準コントロール・ユニット TAG310B
オイル: Total製
重量: 95 kg

大きい写真はこちら(WEB専用ページです)。
http://www.f1-stinger.com/f1-data/2011/team/redbull/photo_gallery/

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