[STINGER覆面座談会]–モンツァの不思議な巡り合わせ 2/2
◆老若男女は真っ赤なウソ!?
ミーハーA子(以下、A子):モンツァの名物は、表彰台の下にトドドッと押し寄せる無数のファンですよね!!
事情通B(以下B):あれは圧巻だね。チフス菌患者になぞらえて、”ティフォージ”と呼ばれる集団が、チェッカー後に一斉にコースになだれ込む。一種異様ながら、素晴らしくエモーショナルな場面を演出してますから。
A子:“老若男女入り乱れ”と言われますよね!!
B:確かにそう言われるけれど、それは真っ赤なウソだね。
A子:真っ赤って、フェラーリだから??
B:いやいや(笑)。観客席には、確かに、老人から子供、若者や男女など、まさに老若男女が入り乱れているけれど、表彰台の下に溢れるティフォージは、若いファンに限られて、お年寄りはいない。
A子:え〜、そうなんですかぁ??
B:何故かと言えば、そこになだれ込むためには、金網をよじ登ってコースに飛び下りなければならないから。お年寄りには大変なこと(笑)。
謎の怪人Mr.X(以下、Mr.X):その昔は、チェッカーが出る前にコースになだれ込んだ。
B:イタリア人のブルーノ・ジャコメリと7位争いをしていたナイジェル・マンセルが、チェッカーの前になだれ込んだ観客を見てスピードダウン、ジャコメリに勝負を譲った時にこんなことを言ってます。「6位になってポイントをもらえるならまだしも、人を跳ねてまで7位になりたくなかったからね」。
Mr.X:ジャコメリは全開じゃった。
B:全開かどうかはわからないけれど(笑)、まぁ、それなりのスピードでチェッカーを受けましたね。最終コーナーでは、コース上ででんぐり返りをしている人もいた(笑)。
A子:でも、たくさんのファンに見上げられる表彰台は、エモーショナルなんでしょ?
B:それはそれは!! ミハエル・シューマッハがアイルトン・セナの優勝記録を越えた時に、会見で嗚咽したことがあったけれど、あれは、セナの記録を越えたことだけじゃなくて、フェラーリに乗って、勝ったイタリアGPの表彰台に登って、気分が高揚したからだと思う。
A子:わぁ、一度、そこに行ってみたいわ!!
B:是非、でも気をつけないと。
A子:え?
B:まず、大混雑に押し流されちゃって、自分が行きたい方向にいけない。
A子:そんなに凄いんですか?
B:そして、押し流されている間に、サイフをすられることがある(笑)。
A子:あら、タイヘン!! あと、イギリスGPの表彰台もすごいんでしょ?
◆ほろ酔いのイタリアと泥酔のイギリス
Mr.X:イタリアはほろ酔い、イギリスは泥酔じゃな。
B:確かに。モンツァの観客、これはサンマリノGPの時のイモラのスタンドも同じなんだけど、イタリアは、ワインを程よく呑んで、楽しい気分になっているけれど、シルバーストンは、ビールを浴びるように呑んで、ベロベロ、って感じ。
A子:なんだか怖いわ。
B:シルバーストンでマンセルが勝った時、ピット側からメインストレートに集まるファンを見ていたんだけど、怖くて逃げた(笑)。
A子:そんなに?
B:何せ、フーリガンの国ですから。サッカーで殺人事件まで行っちゃうのはイギリスくらい。それに比べると、イタリアはエモーショナルだけど、おとなしいね。
A子:そうなんだ。観客の気持ちになって、イタリアGPの開幕を待ちます!!
Photo by
Jiri Krenek(表彰台)
WILLIAMS F1 TEAM(マンセル)
Jiri Krenek(表彰台)
WILLIAMS F1 TEAM(マンセル)
【編集:STINGER】