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ヘレス・テストを[STINGER]はこう見る!!

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少しでも暖かい環境を求めて、F1サーカスはスペインのヘレス・サーキットに集結した。ヨーロッパ最南端、ジブラルタル海峡を渡ればアフリカという、シェリーの産地であり、生ハムがおいしいスペインのヘレス・デ・ラ・フロンテラ。F1合同テストは、4日間の予定の3日目を迎えている。

昨日までの2日間の流れで、フェラーリの赤いウェアがまだ見慣れないセバスチャン・フェッテルが、2日連続でトップタイムと好調。メルセデスが別格の信頼性で着々とデーター集め、そしてルノー勢とマクラーレン・ホンダが初期トラブルに悩まされている状況が見えている。

◆フェラーリ
2日間とも、フェッテルがトップタイム。まだテストとはいえ、そのタイムが、去年のテストでマクラーレンのマグヌッセンが記録した1:23.276を初日に早くも上回り、2日目には1.20.984を叩き出して、2位以下に大きく水を空けている。フェラーリの地元イタリア国内は、さぞ盛り上がっていることだろう。

さらに、2番手が、2日ともフェラーリ・エンジンを積むザウバーとくる。ザウバーは、初日は、マーカス・エリクソンが1:22.777、2日目とフェリペ・ナッセが1:23.338と、二人の”新人”が好調である。 

フェラーリは、既報のとおり、昨年の不振の原因が、空力優先のマシンデザインの戦略が失敗し、スペース不足のパワーユニットが非力だったことを改善するために、パワーユニット優先思考にチェンジした結果、マシン後部のボディワークが大きくなっているが、その効果と見るのはまだ早計か。

◆メルセデス
最多ラップは圧倒的に他を圧している。昨年のポジションを守りつつ、信頼性を高める方向の作戦かもしれないが、初日に、2番手に多く周回したリエクソンの73周の倍以上の距離を稼ぎ、タイムは、初日を担当したニコ・ロズベルグが3番手、2日目担当のルイス・ハミルトンが4番手と、まだ”静か”にしている。

◆レッドブル/ロータス・ルノー
ルノー・エンジンは、イルモアのマリオ・イリエンが指揮することで、大きな変化が期待されている。しかし、テスト開始早々に力を見せることはできなかった。ロータスは、マシンの完成が遅れて2日目からの参加となったが、去年よりはるかに順調にスケジュールをこなし、テスト初日となる2日目に、パストール・マルドナルドのドライブで41周を記録した。

◆マクラーレン・ホンダ
注目のパワード by ホンダは、初日がフェルナンド・アロンソ、2日目にジェンソン・バトンがコクピットに納まったが、ともに6周しか走れなかった。

だが、ホンダF1レーシングの新井康久代表は、「最初の二日間の走行に影響を及ぼした問題は解決できたように感じている」と変わらず前向きのコメント。

マクラーレンが協力体制にあることを力説し、走行距離が少ないながら、その親密な関係によって、エンジニアたちが重要な学習過程をこなしたことを「非常にポジティブ」と語った。

残り2日で、ライバルのマシンと比較したマクラーレンのリヤ部分がコンパクトに見えるが、そこに納まるホンダのパワーユニットがどこまでポテンシャルを見せてくれるのかに期待がかかる。

メルセデスはロングランができているが、追いついてきたフェラーリやルノーの力をどこまで読んでいるのか、そして、ホンダがどの位置になるのか。3日目と4日目は、そこに注目しておきたい。

photo by [STINGER](2014)

[STINGER]山口正己

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