STINGER レーシングナビ 6月16日号
2014年、WEC第3戦ル・マン24時間レース、優勝は?
【レース】
◆[WEC]第3戦ル・マン24時間、アウディが1-2フィニッシュで24時間を制覇◆
6月14日(土)、15日(日)、フランスのル・マンで世界耐久選手権(WEC)第3戦、伝統のル・マン24時間レースが開催された。
予選ではアウディのロイック・デュバルが大クラッシュし、トヨタは燃料系トラブルに見舞われるなど、決勝前から混乱が続くなか、トヨタ7号車(中嶋一貴 / ステファン・サラザン / アレックス・ブルツ)がポール・ポジションを獲得した。
ル・マンで日本人ドライバーがポール・ポジションを獲得するのは今回が初の快挙で、多くのファンが歓喜した瞬間となった。
決勝ではトヨタ7号車が快走し、これにアウディら後続が続いた。トヨタは順調に周回を重ね、ブルツ、サラザンは終始安定した走りで快走した。
そして中嶋に交代し、さらなるペースアップが期待されたが、電気系統のトラブルでまさかのストップ。7号車は復旧不可能となり、無念のリタイアとなった。
ここからはアウディがトップを走り、これに今年から復帰したポルシェ、序盤にクラッシュに巻き込まれて後退していたトヨタ8号車も猛追を見せ、2ワークスがアウディの追撃を開始。
そんななか、トップのアウディ1号車(トム・クリステンセン / ルーカス・ディ・グラッシ / マルク・ジェネ)にもトラブルが発生。後退を余儀なくされる。
ここでポルシェ20号車(マーク・ウェバー / ロマン・デュマ / ブレンダン・ハートレー)がトップを奪い、復帰初年度でポルシェの優勝も期待された。
しかし、やはりル・マンは簡単なレースではなく、ポルシェにもトラブルでストップ、14号車もトラブルにより戦線を離脱。ここですぐ後ろにつけていたアウディ2号車(アンドレ・ロッテラー / ブノワ・トレルイエ / マルセル・ファスラー)がトップに。
再びアウディがトップに返り咲くと、トラブルにより後退したアウディ1号車も追い上げており、アウディが1-2体制に。また、3位にはトヨタ8号車(アンソニー・デビッドソン / セバスチャン・ブエミ / ニコラス・ラピエール)が追い上げてきていた。
しかし、アウディは粘り強さと作戦、そして序盤の差が大きく、トヨタの猛追は叶わずにアウディが今年のル・マンを1-2フィニッシュで完走。トヨタは8号車が3位表彰台を獲得した。
ル・マン24時間 リザルト
順位 | クラス | ドライバー | チーム / エンジン | ラップ |
1 | LMP1 | ロッテラー / トレルイエ / ファスラー | チームヨースト / アウディ | 379 |
2 | LMP1 | クリステンセン / ジェネ / ディグラッシ | チームヨースト / アウディ | 376 |
3 | LMP1 | デビッドソン / ラピエール / ブエミ | トヨタ・レーシング / トヨタ | 374 |
4 | LMP1 | ハイドフェルド / ベシェ / プロスト | レベリオン / トヨタ | 360 |
10 | LMP2 | クリエン / ブランデラ / ハーシュ | NBRレーシング / ジャッド | 352 |
13 | GTE Pro | ヴィランダー / ブルーニ / フィジケラ | AFコルセ / フェラーリ | 339 |
15 | GTE Pro | マコヴィッキ / ホルツァー / リエツ | チームマンタイ / ポルシェ | 337 |
24 | GTE Am | ラミー / ダララナ / ナイギャルド | AMR / アストンマーチン | 329 |
26 | GTE Am | 中野信治 / リッチ / エレット | チームタイサン / フェラーリ | 327 |
33 | GTE Pro | ミュッケ / ターナー / セナ | AMR / アストンマーチン | 310 |
35 | LMP2 | サロ / ズロービン / レディギン | SMP / 日産 | 303 |
37 | LMP1 | デュマ / ヤニ / リーブ | ポルシェ / ポルシェ | 348 |
38 | LMP1 | ウェバー / ベルンハルト / ハートレー | ポルシェ / ポルシェ | 346 |
39 | LMP2 | 井原恵子 / レイグス / テイラー | ラルブルコンペティション / ジャッド | 341 |
40 | LMP1 | ブルツ / サラザン / 中嶋 | トヨタ・レーシング / トヨタ | 219 |
46 | LMP2 | インペラトーリ / ブラッドレー / ホウソン | KCMG / 日産 | 87 |
50 | GTE Pro | リゴン / カッファー / ベレッタ | AFコルセ / フェラーリ | 28 |
54 | CDNT | 本山哲 / オルドネス / ライプ | 日産 / 日産 | 4 |
※この順位表は、1、2、3位、日本人ドライバー、日本チーム、SUPER GTドライバー、F1テストドライバー、元F1ドライバーを掲載しています。
ル・マン24時間タイムライン
Photo by World Endurance Championship
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◆日産、NISSAN ZEOD RCがミュルザンヌ・ストレートで300㎞を記録◆
6月15日(日)、日産は特別走行枠であるガレージ56からNISSAN ZEOD RCでル・マンに出場した。
決勝では序盤でリタイアしてしまったが、電力駆動レーシング・カーであるNISSAN ZEOD RCは、予選で速度記録を樹立していた。
予選で本山哲が電力走行中に時速300㎞に到達し、日産の重要な目標のひとつを達成した。
NISSAN ZEOD RCはドライバーが任意に2つのパワートレーン(ガソリンエンジン / モーター)を切り替えることができ、本山はモーターで走行中に、ミュルザンヌ・ストレートで300㎞を達成した。
Photo by 日産自動車株式会社
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◆[MotoGP] 第7戦カタルーニャ予選、ペドロサがポール・ポジション獲得◆
6月14日(土)、スペインのバルセロナ郊外にあるカタルーニャ・サーキットでMotoGP第7戦の予選が行われた。
予選ではホンダのダニ・ペドロサが快走。地元出身のペドロサは圧倒的な速さでトップタイムをマークし、唯一の1分40秒台となる、1分40秒985でポール・ポジションを獲得した。
ペドロサがカタルーニャでポールを獲得するのは2年連続で、トップグリッドから明日の決勝レースに挑む。
2番手はヤマハのホルヘ・ロレンソで、3番手はホンダのマルク・マルケスで、セッションの序盤に転倒。そのまま走行を終え、ポール・ポジション記録は途絶えたが、それでも3番手に入るタイムだった。
第7戦カタルーニャ 予選リザルト
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム |
1 | 26 | ダニ・ペドロサ | ホンダ | 1:40.985 |
2 | 99 | ホルヘ・ロレンソ | ヤマハ | 1:41.100 |
3 | 93 | マルク・マルケス | ホンダ | 1:41.135 |
4 | 46 | バレンティーノ・ロッシ | ヤマハ | 1:41.290 |
※出場ライダー:26人
Photo by Bridgestone Corporation / Mark Wernham
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◆[MotoGP]第7戦決勝、マルケスが史上最年少記録を更新する7連勝◆
6月15日(日)、MotoGP第7戦、カタルーニャGPの決勝レースが開催された。
レースは序盤からホンダのマルク・マルケスが優勝争いを展開。3番手スタートのマルケスは6周目にトップに立つと、そのままペースアップ。
後続にバレンティーノ・ロッシ、チームメイトのダニ・ペドロサが続いた。
ロッシはトップのマルケスを果敢に攻めていくが、マルケスも必死に食い下がる。終盤までバトルは続いたが、マルケスが猛追をしのいで優勝。史上最年少記録を更新する7連勝を飾った。
ロッシは惜しくも僅差で2位でフィニッシュ、ペドロサも3位でフィニッシュした。
第7戦カタルーニャ 決勝リザルト
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
1 | 93 | マルク・マルケス | ホンダ | 42’56.914 |
2 | 46 | バレンティーノ・ロッシ | ヤマハ | +0.512 |
3 | 26 | ダニ・ペドロサ | ホンダ | +1.834 |
※出場ライダー:24人
次戦、第8戦はオランダのTTアッセン・サーキットで6月26(木)から28日(土)にかけて開催される。
Photo by Bridgestone Corporation / Mark Wernham
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◆ホンダ、藤波貴久が2015年もホンダワークスからトライアルに参戦◆
ホンダは6月12日(木)、2004年トライアル世界チャンピオンである藤波貴久が、ホンダ・レーシング(HRC)と1年間の契約更新をしたことを発表した。
2004年に日本人として初のトライアル世界選手権タイトルを獲得した藤波は、通算32勝を挙げ、これまで所属してきたスペインの現地法人チームが、ワークスチームの「Repsol Honda Team」へ改編されたのに伴い、今シーズンよりワークスライダーとして参戦していた。
今回の更新により、藤波は来年のトライアル世界選手権参戦20周年をホンダワークスチームで迎えることになった。
■藤波貴久
「来シーズンもRepsol Honda Teamの一員として参戦することを発表できて、とてもうれしく思います。16歳で世界選手権にデビューしてからずっと、ホンダのマシンに乗り続けてきました」。
「20年の節目となる来シーズンもHondaのライダーとして参戦できることを誇りに思います。今回、早い時期に契約更新できたことで、今後戦い続けるためのモチベーションが大きく高まりました。また、チームのエースで良き友人でもあるトニー・ボウ選手も契約更改し、引き続き一緒に戦えることを喜んでいます。私たちは、間違いなくベストチームであると思います」。
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