STINGER レーシングナビ 6月24日号
WEC ル・マン24h 予選決勝/INDY 10戦予選
【 レース 】
◆[WEC] ル・マン24時間予選、アウディがトップを独占。トヨタは4番手と5番手◆
6月20日(木)、フランスのサルト・サーキットで、世界耐久選手権(WEC)第3戦、ル・マン24時間レースの予選が開催された。
予選の全セッションが終了し、アウディスポーツ・チームヨーストのR18 e-tronクアトロが1-2-3を独占。
ベテランのトム・クリステンセン / アラン・マクニッシュ / ロイック・デュバルの2号車がポール・ポジションを獲得した。
2番手は1号車、アンドレ・ロッテラー / ブノワ・トレルイエ / マルセル・ファスラーが獲得し、3番手は元F1ドライバーのルーカス・ディ・グラッシ / マルク・ジェネ / オリバー・ジャービスの3号車となった。
トヨタは2013年型のTS030HYBRID、2台体制で参戦し、中嶋一貴 / アレックス・ブルツ / ニコラ・ラピエールの7号車が予選4番手を獲得。
そして8号車、セバスチャン・ブエミ / アンソニー・デビッドソン / ステファン・サラザンが5番手に食い込み、決勝レースへと臨むことになった。
また、AFコルセからフェラーリ458GT2で初めてのル・マンに臨んだ小林可夢偉は予選34番手、クラス6番手から決勝をスタートする。
Photo by World Endurance Championship
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◆[WEC] ル・マン24時間決勝、アウディが優勝、トヨタが2位表彰台を獲得◆
6月22日(土)、23日(日)にル・マン24時間レースの決勝レースが開催された。
レースは序盤、アウディの1号車(ロッテラー / トレルイエ / ファスラー)が他を圧倒する速さをみせ、スターターを務めたロッテラーは後続を引き離す走りを見せた。
これにトヨタの7号車(中嶋 / ブルツ / ラピエール)が続き、スターターであるラピエールもハイペースの走りを見せたが、途中からややペースを落してレースを続けた。
長丁場のレースは、アウディが快走を見せていたが、トップの1号車がジェネレーター・トラブルで緊急ピットイン。修復に約40分を費やし、優勝争いから脱落した。
その後、アウディは2号車(クリステンセン / マクニッシュ / デュバル)が首位をキープし、トヨタの8号車(ブエミ / デビッドソン / サラザン)が2位、さらに7号車も3位につけて首位のアウディを追った。
しかし、過去8度の優勝経験を持つクリステンセンがいるアウディ2号車は強く、逃げ切ったアウディが優勝。これで4連覇を達成し、さらにクリステンセンは9度目のル・マン制覇という偉業を成し遂げた。
2位はトヨタの8号車が入り、惜しくも優勝は逃したが表彰台を獲得。3位は途中から順位を上げてきたアウディ3号車(ディ・グラッシ / ジェネ / ジャービス)が獲得した。
なお、トヨタの7号車は4位で完走し、途中で大きく後退したアウディの1号車も猛追を見せて5位でフィニッシュ。初のル・マン24時間レース参戦となった小林可夢偉は、総合21位、クラス5位で完走した。
また、今大会の序盤、GTE Amクラスのアストンマーチン95号車をドライブするドライバー、アラン・シモンセンがガードレールにクラッシュし、間もなく亡くなった。
シモンセンはすぐにメディカルセンターに運ばれ、懸命に治療が施されたが、事故の負傷が原因で逝去。デンマーク出身でル・マンには過去7回出場、享年34歳だった。
第3戦 ル・マン24時間決勝(全クラス総合)
順位 | クラス | ドライバー | チーム / エンジン | ラップ |
1 | LMP1 | クリステンセン / マクニッシュ / デュバル | チームヨースト / アウディ | 348 |
2 | LMP1 | デビッドソン / サラザン / ブエミ | トヨタ・レーシング / トヨタ | 347 |
3 | LMP1 | ディ・グラッシ / ジェネ / ジャービス | チームヨースト / アウディ | 347 |
4 | LMP1 | ブルツ / ラピエール / 中嶋一貴 | トヨタ・レーシング / トヨタ | 341 |
5 | LMP1 | ロッテラー / トレルイエ / ファスラー | チームヨースト / アウディ | 338 |
21 | GTE Pro | 小林可夢偉 / ヴィランダー / ベレッタ | AFコルセ / フェラーリ | 312 |
22 | GTE Pro | フィジケラ / ブルーニ / マルセリ | AFコルセ / フェラーリ | 311 |
40 | LMP1 | ハイドフェルド / プロスト / ヤニ | レベリオン / トヨタ | 275 |
45 | GTE Pro | セナ / マコウィッキ / ベル | AMR / アストンマーチン | 248 |
48 | GTE Pro | ラミー / アウバレン / ダラ・ラナ | AMR / アストンマーチン | 221 |
53 | LMP2 | 中野信治 / グリーブス / ハミルトン | ADRデルタ / 日産 | 101 |
54 | LMP2 | 井原慶子 / ジロワ/ ハーゼブルック | ガルフ・レーシング / 日産 | 22 |
※この順位表は、1、2、3位、日本人ドライバー、日本チーム、元F1ドライバーのみ掲載しています。
Photo by World Endurance Championship
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◆[INDY] 第10戦予選、カストロネベスがポール・ポジション、琢磨は予選7番手◆
6月22日(土)、アイオワ・スピードウェイでIZODインディカー・シリーズ第10戦の予選が開催された。
アイオワは昨年から予選が導入されているが、今年は一部改定された新方式で実施された。
最初に1台ずつが1周のアタックを行う、通常のオーバルレースと同じ予選を行い、そのあとに50周のスプリント・レースを3回行ってスターティング・グリッドを決定する。
予選はチーム・ペンスキーが快走をみせ、エリオ・カストロネベスがポール・ポジションを獲得。そして2番手はウィル・パワーが獲得。3番手はジェームズ・ヒンチクリフが獲得した。
佐藤は予選アタックで10番手を獲得し、予選レースのヒート3では7番手でフィニッシュ、これにより予選7番手から決勝に臨むことになった。
第10戦アイオワ 予選リザルト
順位 | ドライバー | チーム / エンジン | 予選順位 |
1 | エリオ・カストロネベス | Team Penske / シボレー | ヒート3 1位 |
2 | ウィル・パワー | Team Penske / シボレー | ヒート3 2位 |
3 | ジェームズ・ヒンチクリフ | Andretti Autosport / シボレー | ヒート3 3位 |
7 | 佐藤琢磨 | A.J.Foyt Racing / ホンダ | ヒート3 7位 |
22 | セバスチャン・ブルデー | Dragon Racing / シボレー | ヒート1 8位 |
出場ドライバー:24人
決勝情報はこちら
Photo by Chris Jones
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◆日産自動車、電力駆動レーシングカー「Nissan ZEOD RC」を公開◆
日産自動車は6月21日(金)、電力駆動レーシングカーである「Nissan ZEOD RC」を公開した。
「Nissan ZEOD RC(Zero Emission On Demand Racing Car)」は、2014年のル・マン24時間に、革新的な技術紹介のための出場枠である「ガレージ56」で参戦する。
将来的なLMP1クラス参戦に向けて検討していくプログラムの一環として、新しいレース用電動パワートレイン技術のテストを開始する。
開発チームは、新たに日産のダイレクター・オブ・モータースポーツ・イノベーションに就任し、2012年のデルタウィング・プログラムを率いていたベン・ボウルビーが指揮をとる。
さらに日産は同日に、ル・マン24時間レースの舞台であるサルト・サーキットのパブリック・スペースに実車展示を行った。今後はYouTubeの「NISMO TVチャンネル」にて最新情報を発表していく。
また、専用タイヤを製作するため、日産はミシュランとパートナーシップを結ぶ予定で、今年の夏の終わりにテストが開始される予定となっている。
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