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「T128」解説とスペック

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T128

参戦初年度のT127に関しては、エントリー承認から開幕戦までの時間的な制約上、「間に合わせる」ことがマシン設計の最大の目的だった。「新規3チーム中のトップを目指す」という目標を掲げたものの、実態はクラッシュ・テストをクリアすることが最優先で、パフォーマンスは二の次。開幕戦のグリッドに並んだマシンは、バラストを積む余裕すらないほど重かった。前後のサスペンション・アームをCFRP(カーボン繊維強化プラスチック)で作る余裕はなく、チタン製ロッドをCFRPのシュラウドで覆った構造だった。

シーズン半ばにはわずかながらもバラストを搭載できるまで各部の軽量化が進み、重量配分の適正化が進んだ。第5戦スペインでフロントウィングの形状を大きく変えるなど、空力面でも一定の進化を見せた。だが、その裏では2011年の躍進を見据え、開発を進めていたのである。

新規チームのトップではなく、中団グループに割って入ること、すなわち、トロ・ロッソやザウバー、フォース・インディア、さらにはウィリアムズやルノーをも標的に据えたマシンがT128である。昨シーズン中に発表したように、パワートレーンはコスワース(エンジン)+Xトラック(ギヤボックス)から、ルノー+レッドブル・テクノロジーにスイッチ。レッドブルからは、変速機構だけでなく、プルロッド式のリヤ・サスペンションを手に入れた。公開された写真やCG画像でははっきりと確認できないが、ディフューザーやリヤウィングを効率良く機能させるべく、低いリヤデッキを形作っているはずである。

フロントウィングは2010年スペインGP以降に使っていた、3エレメント+カスケードウィングを踏襲。ハイノーズの部類に入るが、先端はやや垂れ下がっている。Vノーズは採用せず、モノコックのバルクヘッドはスクエア。ゼロキールマウントのフロントサスペンションは、T127と同様、フロント側アッパーウィッシュボーンとトラックロッドを抱き合わせた設計にしているようだ。T127はボクシーなサイドポッド形状をしていたが、T128では一転、大きな切り欠きを持つ。

最も目を引くのは、2010年のメルセデスGP W01がシーズン途中から投入した2分割式のインダクション・ポッド。2011年のレギュレーション変更で実質的に禁止する内容に改められたはずだが、早速抜け穴を探し出した様子。開口部を低く設置して、リヤウィングへクリーンな空気を導くのが目的だろう。

重量増になるとして昨シーズンはFダクトの投入を見送ったが、2011年はKERSの投入を見送った。重量増や車体設計に及ぼす影響、制御の複雑さなどが、見送った理由だろう。ただし、可変リヤウィングは装備している。

【STINGER / Text by Kota Sera(世良耕太)】

■シャシー
型式: T128
シャシー: カーボンファイバー製
ボディーワーク: カーボンファイバー製
サスペンション: カーボンファイバー製
ダンパー: ペンスキー&マルチマチック
ステアリング: チーム・ロータス
ギヤ・ボックス: レッドブル・テクノロジー
ブレーキ: ディスク、クラッチ、キャリパー/Hitco、パッド/AP
冷却システム: チーム・ロータス
計器: MES
シートベルト: Sparco SABelt
ステアリング・ホイール: チーム・ロータス
シート: チーム・ロータス
消化システム: FEV
ホイール: BBS製チーム・ロータス専用ホイール
燃料電池: ATL
バッテリー: ユアサ
燃料: トタルTotal
潤滑油: Various

■サイズ
ホイール・ベース: 3000mm以上
全長: 約 5 m
全高: 950mm

■エンジン
型式: RS27-2011 V8エンジン

大きい写真はこちら(WEB専用ページです)。
http://www.f1-stinger.com/f1-data/2011/team/lotus/photo_gallery/

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