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木曜日の新居TCDインタビュー

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新居TCD

新居章年 トヨタ技術コーディネーション担当ディレクター

「ようやく開幕のときが来ました。ええ、ちょっと興奮してます!」

◆”好調トヨタ”をランクづけすると?

――今年も、よろしくお願いします。
新居章年TCD こちらこそ、よろしくお願いします! ほんとに、待ちに待ったレースかなと思ってます。こんなことを言っていいのかどうか、でも、やっとレースができる!とも思ってます。

自分たちでも驚くくらい、今年のトヨタはいいという評価いただいていて、それに応えなきゃいけないし。そういう状態でレースをやれているというのを、ぼくら嬉しく思っていますしね。それ以前に、こういう厳しい経済状況の中でレースができていることにも感謝しなければ、と思っています。

今年の目標は、もちろん勝つこと。その手応えは確かにあるので、だから、早くレースをやりたい。レースをやれば、自分たちのクルマがそういうレベルにあるか、それはレースが一番分かりますからね。ぜひ、早くレースをやって、いい結果を出したい! ……なんか、いってることが支離滅裂ですが(笑)。

――興奮してます?(笑)
新居TCD ええ、ちょっと興奮してます!(笑)

――じゃ、心配な点はというと?
新居TCD それはいろいろとあります。何といっても、最後まで走ってくれないと困るし(笑)。いや、きちんと対策はやってきています。やり残したことはないと思っていますが、でも、とくに信頼性というのは、どんな小さいことでもクルマは止まってしまいますからね。それが不安材料といえば不安材料です。

それから、レギュレーションが新しくなっていますね。その変わったことに対していかにきちんとやれるか。タイヤの使い方にしても、天候も気温もどんどん変わっていきますから、それに対応して使いこなせるか。KERSもあるし、可動が許されたフロントフラップの使い方もあります。

それと、うち(トヨタ)が前々から下手だといわれている(笑)セーフティカーが出た時とそのタイミングの使い方ですね。
今年はセーフティカーの規則が元に戻りましたし、そういうのもうまく処理できるか。

クルマのハード自体は、きちんと時間をかけて作ってきましたから、かなりいいかなというのはあるんですが、でも、いくらクルマがよくても、走らせるのはドライバーですからね。やっている(チームを構成してる)のもみんな人間ですから、ミスがないようにしていかなければ、と思います。それにはもう、経験しかないので、そういう突発的な事態にどう対応していけるか。

だから、不安があるといえば不安はあります。でも、逆にいったら、そういうこと(レースにおけるソフト面)をきちんとやっていけば、おのずと結果はでてくるのではと、そういう風にも思ってます。

◆テストで感じたフェラーリとの接近

――開幕前のテストなどの感触で、今年のトヨタはどのへんにいると見ておられますか?
新居TCD ……(笑)……あの、正直なところ、ぼくらも含めて(各チームは)非常に僅差の中に入っているなと思ってます。

みなさん、フェラーリが一番速いと思っておられると思います。それに、ブラウン・チームも速い。このチームについては、データ不足ですが(笑)、でも、フェラーリが一番速いとするなら、その近いところに、うちもいるかな、と。去年も今年も、うちはバーレーンでフェラーリと一緒にテストをしました。テストでのタイムというのは、何をテストしてるのか、また燃料の搭載量(の違い)といったこともありますから、一概に比較はできません。

でも、テスト全体の流れをずっと追っていくと、相対的な差というものは見えてくる。それでいうと、(フェラーリとトヨタでは)去年ははっきりとした差がありました。でも、今年はかなり重なって来ていると思ってます。その意味では、(今年のトヨタは)半分から上というところには『いる』かな、と。でも、上位に来そうなチームはどこかいうと、これはいっぱいでね(笑)。

◆トヨタのレギュレーション違反は、あり得ないこと!

――ディフューザーの問題を指摘されています。トヨタとしては、何を言っているんだ、ということだと思いますが、バルセロナで、ジョン・ハウェットTMG社長が、バックアップを用意した方がいいかもしれない、という発言もしています。そうした、他チームと同じようなものの用意はあるのですか?
新居TCD ディフューザーに関しては、お話すること何もないんですけど!(断固と)ぼくらは適正なものであると思ってます。

――他の2チームに関しては?
新居TCD どういうカタチをしているのかが、よくわからないので……(笑)。でも、どのチームであれ、好き勝手にやっていることはない。ちゃんとレギュレーションを読んで、その解釈が正しいと思ってやっているはず。もちろん、ぼくらもそうしてクルマを作ってきています。

――レギュレーション違反ではない?
新居TCD それはないし、それは”やれない”ですよ。だって、そういうことをして、たとえば、この場でクルマが走れないということになったら、そのダメージの方がずっと大きいですから。
(レギュレーションに対応した)考えに基づいて、きちんと進んでいないと、ここにクルマを持ってこられないです。

――クルマができた当初から、FIAがOKを出しながら、にもかかわらず、こうした議論が何カ月も続いている現状をどうお考えですか?

新居TCD ……それはね、ある考え方のディフューザーのカタチに対して、一部のチームが異議を申し立てるということはあるのかもしれません。でも、それはその人たちの考え方なんで。
決していいことではないとは思いますが、でも、あっても不思議ではないともいえます。逆の立場なら、同じことを(うちも)言ったかもしれないし。だから……何ともいえない、分からないですね。

――毎戦毎戦のスチュワードの判断によってしまうということについては?

新居TCD いや、基本的にはね、同じレギュレーションを見ていて、そして、極端に判断が変わるとは思えないですね。
レギュレーションの判断がその場その場で覆るのは望ましくはないですが、でも、それはちゃんとコントロールされると思いますよ。< br />
――バルセロナの4日目のロングランの終わりかけのところで、グロッグのクルマが燃えましたが、理由は?

新居TCD あ、そんなに、深く考えるものではないです、あれは(笑)。

--今年、2回燃えています?
新居TCD 説明するのも恥ずかしいような(笑)些細なことで……。クルマ本来の抱えている問題ではありません。

◆新レギュレーションにどう対応するか

――今年、本社からの応援のメッセージは?
新居TCD がんばれ、勝て、と、それだけ(笑)。
本社からいいサポートを受けているので、そういう意味では、早く応えたいなと思ってます。

――KERSは?
新居TCD とりあえず、今回はパスしてますけど……、ええ(笑)。

――今回は、持ってきているけれど使わないということですか。それとも、マレーシアまでは使わないとか?
新居TCD まあ、ゆっくりと様子を見ようかなと(笑)。ただ、そうはいっても、じゃあ明日ポンと載せられるかというと、そういうものでもないので、(開発は)やってはいますが。

――なくていいと思っていませんか?
新居TCD ……(笑)。まあ、怒られちゃうけどね。
でも、いまの状況は……。うちのクルマを見ていただければ分かると思います。

――ところで、ブロウンGPがいきなり速いですが?
新居TCD はい、始めはビックリしました。ただ、だんだんタイムを見ていると、速いクルマに間違いない。聞くところによると、1年半くらいかけて開発しているということで、ああいうタイムが出るクルマができていても不思議ではないかなと思ってます。常にあのタイムが出るのかどうか、そういうのは分かりませんが、でも、ありえないタイムではない。

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左から新居TCD、山科チーム代表、木下TMG副社長。

◆これまでとは違う今年の「新しい闘い方」はあるか

――今年はエンジンが年間8基に規制されます。どういう使い方が良さそうですか。
新居TCD スペシャルなエンジンを持っていて、予選以降にそれを使うかどうかという質問ですか?(笑)。楽しみですねえ!
ただ、ここは緒戦ですからね。レースを重ねていくうちに、いろいろと(金曜日に交換も)あるかもしれません。

――テストで、フロントウィングの調整可能なことに対して、試さないとよく分からない、というチームがありましたが、トヨタは、このサーキットではどうですか。難しい方なのか簡単な方なのか。

新居TCD ここですか、……どうでしょう。
本来の目的である後ろについたときに使うとか。ストレートが長くて、ダウンフォースを出したくなるコーナーが明確なところはいいですが。でも、あくまで変えられるのが、上げる/下げる1回だけしかできないですから、難しいんじゃないかと思います。

――今年、予算が縮小されたと思いますが、節約したのはどの部分ですか?
新居TCD パフォーマンスに影響のないところ、ですね。たとえば、ロジスティクスなどですね。節減は目一杯の努力をして、さらに工夫していきます。どこまでできるか分からないですが、ここでいい、ということはないですから。

パフォーマンスの面でも、今までだったらチョコチョコッと(不断に)やっていたことを、今年は、ある程度(やるべきことを)貯めておいてから実行するとか。そういう工夫はあるかもしれません。

――2種類のタイヤの差が今年は明確なようですが、シーズン全体を通して、戦略の面ではどういうとこになりますか。
新居TCD ひとついえるのは、今回のようにスーパーソフトとソフトの場合、温度にも関係してくるということ。温度が低かったらミディアムは使いにくくなる。境目が30度くらいといわれていますが、今度は、ミディアムならタイムが落ちずに長く使えるかもしれないし、逆にダメなら短め短めで使うかな、と。

今年は、ピットレーンのスピードが上がっていますから、そこからすると、去年よりピットストップの回数が増える方向の作戦もあり得ると思ってます。

だから、金曜日の走り方にはじまって、(作戦の)フレキシブルさは増えるのかな、と。それが一番変わるかなあ、今年は。
ピットインのタイミングを刻むことで、修正も効きますし。そのあたりが、今年は大きく変化するところかもしれません。

――開幕初戦のこのグランプリ、天気の心配は?
新居TCD 天気は、基本的に良さそうですね。日曜日に少し雨が降るんじゃないかとのことですが、夕方で、10~30%ですから。明日は少し寒くて、土曜日と日曜日は、暖かくなってくるようです。

――コースは歩かれましたか?
新居 いえ、歩いてないです。コースは、変わってないということなので。ただ、去年、ティモが飛んだところの、コースに道が入ってくるところ(の突起)ですね、あれは均してあると聞いてます。

【STINGER / text by Iemura Hiroaki】

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