新居TCD予選後会見全録
◆土曜の朝までは、”いい流れ”で来ていたのだが・・・
新居章年技術コーディネーション担当ディレクター(以下、新居) 昨日はけっこう”いいところ”があったので、タイミングの問題なんかは考えられるにしても、そんなに悪くはない(予選になる)だろうと思ってました。
朝の走行も、もう、二人のドライバーともに、やることは”絞って”いて、予選に向けてのチェックが中心かなと思ってたんです。残念なことに、30分ほど(赤旗中断で)走れなかったですけどね。でも、(予選のための)必要な準備はできた。
しかし、実際に予選が始まると、ヤルノがすぐに「グリップがない!」と。タイヤをオプションにすれば行けるかなと思ったんですけど、オプションにしても(状況は)変わらなかった。最後まで、1分40秒を切るのが精一杯で(Q1通過には)足らなかった。
ティモ(グロッグ)の方は、Q2まで行けて、最後のアタックはよかったんですけど、セクター2の後半があまりうまく行かなかった。オプション・タイヤのリヤを、早めに使い切っちゃったということで、最後の13〜14コーナーあたりから、まったく攻められなくなった。
まあ、何かがちょっと違ってれば、Q3に進めたかもしれないんですが、でも一方では、それだけ「脆い」(もろい)ということだと思います。すべてがきっちりと揃わないと、こういう闘いは勝ち抜いていけないので・・・。
◆ピットレーン・スタートもあり得る?
—-ヤルノ(トゥルーリ)が、クルマのセットアップを作り直すために、ピットレーンからスタートしたいといってるが?
新居 それは、やってもいいかもしれませんね。(作戦の)選択肢の一つとして、あり得ると思います。
—-グリップがないというのは、ティモもいっていたことですか?
新居 いえ、ティモは、ノーグリップだというような言い方はしてません。
—-他のチームの”伸びしろ”に較べて、トヨタもインプルーブしているとしても、それが足りてないということは?
新居 強がりをいいますけど、今回の場合は、最後の最後で、タイヤが一ラップ保たなかったということで、そこのところの対応が、やや足らなかったとは思います。ティモが最後に(Q2通過のために)足らなかったのは、コンマ2秒くらいだと思います。それまでは”お釣り”が来るくらいのタイムで走れていたんでね。ただ、他のチームが上がってきて、そして最後の(うちの)アタックで、タイヤが・・・と、そういうことだと思います。”伸びしろ”ということでいえば、ね。
いま、スタート時の重量が発表になってますが、これを見ると、そんなに掛け離れてはいないな、と。ティモは、トップテンまで行ける力はあったと思います。
—-タイヤが保たなかったというのは、オーバーヒートで?
新居 そうですね、グレイニングというよりは、そっち(ヒート)ですね。路面温度は、午後は40度を超えましたね。午前は31度くらいでしたが。
◆決勝は”積んでいく”しかない!
—-ティモはそうだったとして、ヤルノのクルマは、そもそもセッティングが違っていたんですか?
新居 ええ、空力パーツなどは同じですが、ただ、乗り方も違いますし、”味つけ”については、もともと二人は違ってます。
ただ、今日の朝までは、ヤルノは(クルマのバランスに)すごく満足していて、むしろティモの方が、リヤがちょっと心配、ロックしやすいとか、そういう状況だったんですね。でも、予選になったら、ハナシが逆になっちゃった。
午前と午後では、路面のラバーの”ノリ”が変わったとか、そういうこともあったかもしれません・・・。ミステリーといえば、ミステリーですけど。
明日(日曜日)は、気温でいえば、今日よりはちょっと上がります。・・・ということで、明日は、二人とも(燃料をいっぱい)”積んでいく”のかと思いますけど、最後まで諦めずに、レースしたいと思います。