新居TCD予選後会見全録 シンガポールGP
◆今回はティモがうまく”まとめて”くれた
新居章年技術コーディネーション担当ディレクター(以下、新居) 赤旗中断という終わり方だったので、また、ティモもアタックに入っていたので(それが中断されて)ちょっと残念だったんですけど。でも、Q2はそこそこ走れていたので、新しいクルマ(でのレース)としては、まあよかったのかなと思います。
ただヤルノがね、グリップが感じられなくて、頑張ってくれたんですけど、でも、タイムは伸びなかった。そこはちょっと、反省点だと思ってます。
ティモは、第二予選(Q2)に入ってから、ポンと1秒近く速くなった、何もしてなかったんですけど。
まあ、ほんのちょっとしたことでね、タイヤの温まり過ぎとか温度とか、そのへんがウチのクルマではむずかしかったのかなと思います、今回の予選では。でもティモは、第二予選、うまくまとめてくれました。
今日は、タイヤはやっぱりナマものであるという感じを強くしまして、ティモにいわせると、同じオプションでも、Q1だけは違った、と。でも最後にQ2をニュー(タイヤ)で出て行ったときはすごくよかった、と。……なので、赤旗で終わってしまったのは非常に残念、と。ですから、ちゃんと走れていれば、7番手というポジションではなかったかもしれないとはちょっと思ってます。
◆タイヤの性能を引き出すのがむずかしい
—-タイヤの温まりの問題は?
新居 あのですね、温まりが悪いということではないんですね。モニターで見ていても、温度は上がるんですけど、でも、タイヤとしてグリップが出て来ない。ドライバーからは、オーバーヒートという声も上がるんですけど、でも(ピットに)帰ってきて温度を測ると、そういうことでもない。ブリスターもほとんどなかったですし。
そのへんで、タイヤの「芯」が温まってないときとそうでないときで、タイムの違いがあったのかなと思ってます。ティモの表現を借りればね、第一予選(Q1)でのタイヤは、どこまで(攻めて)行けるのかがわからない、と。でも、第二予選でのタイヤは、リミット──ここまで攻めていいというのがわかった、と。
ヤルノの場合はとくに、ここが”境界”だというところを掴んで走るドライバーなので、タイヤがそういう状態で”見えない”と、やっぱり(攻めて)行けないですね。
—-昨日と今日では、セッティングは?
新居 昨日をベースに、メカニカルなセットアップを変えて行ったんですけど、結局のところ、ティモは今日やった(変更した)ところから、半ば、昨日(の状態)に戻した。ヤルノは、昨日とガラッと違えて、今日は走ったんですけど、結局、今日の朝に最初に試したセットを使って(予選を)走った。
—-ヤルノがQ2で、あまり走らなかったのは?
新居 エキゾーストを直してました。……ハイ、壊れました(笑)。音がおかしいとヤルノがいって来て、ピットに入れて交換してました。エキゾーストは、今年ずっと、ちょっと苦労してるトコですね。
—-明日の天気は?
新居 大丈夫です(笑)、明日も今日とほとんど同じ。気温は、レースはじまりが30度、終わる頃も29度くらい。雨は降りません。風も今日と同じで、南からの穏やかな風。ただ、昼に4時前くらいに雷マークがついてますので、スコールみたいのがあるかもしれません。
◆ティモはいいグリッドからなので、表彰台を狙いたい
—-目標は?
新居 ティモは、繰り上がって6番手スタートですから、表彰台に絡めるような闘いをしたい。ヤルノは後ろからで、あの位置からではかなりむずかしいですけど、ここは抜けないので……
—-二人は違う作戦で?
新居 ……(笑)、ただ、ここはタイヤにけっこうきびしいんですね。だから、片っぽのタイヤですごく長く、もう片っぽは短くとか、そういうのはあるかもしれません。まだ少し(戦略決定までの)時間、ありますね、だから、しっかり考えて……(笑)。