新居トヨタTCDレース後会見全録
「結果も、走行中のタイムも、上々だったレースと思う」
◆2人とも、いいスタートで、レースに入って行けた
新居章年技術コーディネーション担当ディレクター(以下、新居) 今日のレースは、ヤルノが4位、ティモは13位から追い上げて8位でフィニッシュということで、なかなかいいレースであったと思ってます。欲をいえばキリがないのでね。
この2戦、ノーポイントがつづいてましたので、まずは2人でポイントが取れたこと。また、レース中のタイムを見ていただいても、うちのクルマ、そこそこ”いいとこ”にいたことと思うので、この二つの点でね、いいレースだったと思ってます。
レースはですね、ヤルノはスタートがよくて! 1コーナーで3番手に上がりました。ただ、走りはじめのプライム・タイヤのときは、ブレーキがおかしかったということで、ヤルノは3回(コース外に)飛びだしたっていってましたけど。それで、ウエーバーに抜かれちゃって、還ってきたら4位ということで――。
そして、結局、そのポジションでフィニッシュできて。一時、ロズベルクに前に行かれましたけど、ストラテジーで、長めの第1スティントにしていたので、また抜かすことができたし。
ティモも、スタートはとてもよくて、直線でいくつかポジションを上げたはずなんですけど、1コーナーで、一番外側にいたせいもあるんですけど、順番に押し出されるような格好で外に出てしまって……。
1周目は、戻ってきたら14位になってましたけど、そのあと――もともと長い第1スティントで行くことになっていて、着実に順位を上げていって、最終的には8位で終えることができました。
まあピット作業では、実はいろいろあってですね(笑)、ブレーキがロックしてしまって、予定のところで止まれないとか、ナットが外しにくくなっていたとかね。でも、何とか作業はすべて、給油の時間内に収めるように、ピットクルーも頑張ってくれました。
そんな、いろいろなことがあっての、今日の結果だったと思います。
◆トヨタに速さが戻ってきたと、いわせてほしい!
新居 それよりも、「速さ」が戻ってきたということでね! まあ戻ったのか、この前(モナコ)がおかしかったのか(笑)ですけど、セットアップから今日の走りまで、自信も戻ってきましたし、これから先に向けても、いい結果で終われたなと思ってます。
次はぜひ、表彰台に絡むレースを、シルバーストーンではやりたい。
—-シルバーストーンの3セクターや最終コーナーは?
新居 こないだまでの、そういったところでのトラクション不足という問題は、今回は、ドライバーからも声は挙がってませんので、それは(シルバーストーンに向けての)”いいサイン”じゃないかなと思ってます。
—-レースでの、ソフト・タイヤの感触は?
新居 今日は、よかったんですよ!(笑)ヤルノも、今日は「扱いやすかった」といってましたし、ティモも「グリップが上がった」と。また、昨日は少しオーバー(ステア)気味で苦しんでましたけど、今日は、フロントウイングを少し下げたということもあって問題はなかった、と。
—-最後のスティントに、ソフトを投入したことも正解だった?
新居 そうですね、だいぶ迷ったことは迷ったんですけど。短めのところ(スティント)で、ソフトを最初の方に使ってしまうという手もあったんですが、昨日の予選を通じて、オプション(ソフト)は扱いにくいということがあったので、気温が高かったこともあって、スタートは割りとスンナリと、プライム(ハード側)を選択しました。
それで、そのあとですね、プライムから、オプション→オプションでつないでいくのか、あるいは、プライム→オプションで行くかというのは、レース中に考えるところではあったんですけど。
ただ、オプションを履いた他のドライバーが早くピットインして交換していたということもあって、ヤルノの方は、割りと早い時点で、プライムからプライムで行こう、と。ティモの方は、少し考えたんですが、でも結果的には、同じように、プライム~プライム~オプションで行くと決めました。
◆課題は、予選でもっとタイムを”出しやすい”クルマ?!
—-ブラウン、レッドブルとの”相対的な位置関係”というのは、いま、どうお考えですか?
新居 そうですね、予選では僅差だったんだけど、レースが終わってみると、途中では「30~40秒」近くトップとは開いてたということを考えると、やはり、まだまだ(差を)詰めなくちゃいけないなと思いますね。
あと、(うち以外の)ほかのクルマも、どんどん速くなってきているので、ブラウン/レッドブルとほかのチームとの差が縮まっている。だから、まったく気は抜けないですね!
—-レース中のラップタイムは、ティモはよかったですね?
新居 そうなんですけど、ただ、予選での一発のタイムということになると、土曜の段階では、たとえばヤルノ+ソフトタイヤは扱いにくかったということもあるので、「運転のしやすい」クルマになっているかどうかというのも、こういう僅差で(各チームが)競り合っている状況では、それは(いま以上に)必要な性能ということになります。