トヨタTS030ルマンに向け、耐久テスト終了
5月11日(金)、トヨタ・レーシングは、5月8日(火)から5月10日(木)の3日間、スペインのモーターランド・アラゴンでロングランテストを実施した。
テスト・プログラムは、新空力パッケージとハイブリッドシステムのアップデート版の実走と、水曜の朝から30時間のレースシミュレーション。ミシュランタイヤのテストと同時に、実戦モードでのメカニックやドライバーのピットストップの作業練習も行なわれた。
7号車で参戦予定のアレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴の3名と、8号車のエース格であるアンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミが、新たに製作したモノコックから組み上げた新車のTS030を交代でドライブした。
このマシンは、スパ6時間の前日、例によってポールリカールでシェイクダウンを行っている。
A.デビッドソンは今回が、初のTS030 HYBRIDの実車ドライブだったが、すでにケルンのTMG(トヨタ・モータースポーツ・有限会社)の、シミュレータで長時間のトレーニングをこなし、車両特性等を熟知し初走行に臨んだ。
チームは、”今回のテストはルマン24時間レースに向けたチームの準備として非常に重要な位置づけにあり、アラゴンのコースレイアウトは、レース本番への準備には最適であった”と伝えた。
トヨタ・レーシングは、今月下旬にルマン直前の最終テストを予定している。2台のTS030のデビュー戦となるFIA世界耐久選手権第3戦ルマン24時間耐久レースは、6月11日と12日に車検を行い、13日と14日が予選、15日を中日として、16日に決勝レースがスタートする。
パスカル・バセロン・テクニカル・ディレクターのコメント。
「モーターランド・アラゴンは、トラックレイアウト、路面の特性や天候条件に的に、ルマン24時間のコースにそっくり。このため我々は、いくつかの新しい空力仕様を、ルマン24時間レースを念頭に評価・開発できた。あらゆる温度と路面状況をカバー出来るよう、ミシュランタイヤの作動レンジの評価も続けた。今回我々は、より典型的なルマンの諸条件を試すことが出来たことに満足している」
村田久武ハイブリッド・プロジェクト・リーダーのコメント。
「今回、コースレイアウトからもたらされる高い前後左右G、路面からの振動、地中海特有の高温の条件等、非常にチャレンジングなコースでの走行テストとなった。これは、ルマン本戦前に、TOYOTA HYBRID System-Racing (THS-R)のテストにはうってつけであり、非常に多くのデータを集積するできた。今回得られたデータを次回の最終ロングランテストに織り込み、本番のルマン24時間レースに万全の体制で臨めるよう、準備をしていきたい」