トヨタTS040 HYBRID、スパでも勝利!
王者アウディと、巨人ポルシェを寄せつけなかったトヨタTS040 HYBRID。
トヨタがWECで連勝した。
5月3日土曜日に、ベルギーGPの会場でもあるスパ-フランコルシャン・サーキットで行なわれたWEC(世界耐久選手権)第2戦スパ・フランコルシャン6時間でトヨタTS040 HYBRIDは優勝と3位も奪い、連続して2台がともに表彰台に上った。
レースは、ポールポジションのボルシェとトヨタの激しい先陣争いになったが、ポルシェがトラブルで遅れ、その後、予選3位だったアウディが食い下がったが、A.デビッドソン/S.ブエミ/N. ラピエール組のトヨタTS040 HYBRIDに追いつくことはできなかった。
これで、ゼッケン8のトヨタTS040 HYBRIDが開幕のシルバーストンから連勝し、ドライブした3人がドライバーズ・ポイントのリーダーとなり、メーカー・チャンピオンシップでも、エース格のゼッケン7のA. ブルツ/中嶋一貴/S.サラザンが3位に入ったことで、首位を堅持している。8号車のトリオは、昨年の最終戦ウィナーであり、WECをトヨタが3連勝したことになる。
ちなみに、アウディと激しい2位争いを展開していた7号車は、オイルが付着して視界不良になるという些細なトラブルで3位に甘んじたが、それがなければ連続して1-2フィニッシュができる状況だった。
今シーズンに919を送り込んで耐久レースに本格復帰して注目されるポルシェは、R.デュマ/N.ジャニ/M.リーブがポールポジションを奪ったが、電気系統のトラブルで後退して4位に留まった。F1から戦場を替えてこちらも注目のマーク・ウェバーが乗るもう1台は、予選6番手から一時は3位を走行していたが、トラブルで大きく遅れた。
しかし、M.ウェバーは、シルバーストンでは競争力がなかったが、開発が進んでポテンシャルが上がって、戦えるレベルに来ている、とアウディ-トヨタにポルシェが割って入り、今後、三つ巴の闘いになることを示唆するコメントを残した。
決勝レースは、完全ドライの闘いだった。オールージュで先頭を行くトヨタTS040 HYBRID。
優勝したトヨタTS040 HYBRIDの前線基地であるTMGの木下美明社長は、「トヨタ・レーシングがマニュファクチャラーズ選手権をリードするのは、ル・マンへ向けてチーム全体のモチベーションを上げることが出来、大変嬉しい」とした上で、次のルマン24時間に向けて「何度も経験してきたように、ル・マンは特別なレース、何が起きても不思議ではない」と、浮足立たず慎重にコメントした。
WECは、10月12日に富士スピードウェイで決勝を迎える日本戦を含む全8戦で行なわれるが、次の第3戦は、6月1日のテストデーを挟んで6月11日〜15日に開催される総本山ルマン24時間。果たして、王者アウディと、ルマンの巨人ポルシェを向こうに回して、トヨタ・レーシングとTS040 HYBRIDがどう戦うか、注目される。
photo by TOYOTA RACING