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フォース・インディア VJM03

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VJM03
2009年のフォース・インディアVJM02は、ベルギーやスパなどの高速コースで本領を発揮したが、2010年シーズンも似たような活躍を期待していいだろうか。あるいは弱点を克服し、オールラウンダーへと進化を遂げただろうか。発表された新型のVJM03を見る限り、前年型の進化発展版。これが、いいサインに見える。

新型はVJM02が持っていた特徴の多くを受け継いでいるが、顕著な違いもある。それはホイールベース。VJM02も3200mmのロング・ホイールベースだったが、VJM03は3500mmへと300mmも長くなった。全長は4900mmで変化はない。発表された数字を信じるとすれば、前後のオーバーハングを短くしたり、サスペンションの設計を変更したりすることで、燃料タンクの大型化にともなうホイールベースの延長分を吸収したことになる。

VJM02のサイドポッド後半は、内部に収める熱交換機やエキゾースト・マニフォールドにぴたりと密着するような有機的な造形をしていたが、VJM03はなだらかな曲面でそれらを包み込んでいる。リヤカバーはサスペンション・アームまでしっかり包み込む凝りようだ。サイドポッドのアンダーカットはもともと強い部類だったが、VJM03になってさらに進行した。しかも、開口部は小さくなり、下方にずれている。サイドポッド上部にある「ROYAL CHALLENGE」のスポンサー・ロゴが目立つが、ロゴスペースを確保するのが目的ではなく、空力的な効果を優先した結果である。

高いノーズは相変わらずだが、2009年のレッドブルRB5、あるいはルノーR29に感化されたのか、偏平な形状になった。フロントウィングのソリューションは09年シーズン後半戦の仕様を受け継ぐが、底面のスプリッターは数を減らしているよう。フロント・サスペンションのレイアウトは、トラックロッドの位置関係も含めて、VJM02のキャリーオーバー。フロントアクスルからサイドポッドにかけての空力付加物のレイアウトも前年型を踏襲する。

エンジンカバーは昨年終盤に投入したシャークフィン型を継続投入。インダクション・ポッド後方両脇やシャークフィンの一部にスリットを設けたところに、冷却や排熱に対する配慮がうかがえる。

フォース・インディアの設計チームは、VJM02が成功作と判断したからこそ、正常進化させる道を選んだのだろう。

【STINGER / Text by Kota Sera(世良耕太)】
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