『スクーデリア一方通行』の筆者である加瀬竜哉/本名加瀬龍哉さんが急逝されました。長い闘病生活を送りながら外には一切知らせず、“いつかガンを克服したことを自慢するんだ”と家族や関係者に語っていたとのことですが、2012年1月24日、音楽プロデュサーとして作業中に倒れ、帰らぬ人となりました。
[STINGER-VILLAGE]では、加瀬さんのなみなみならぬレースへの思いを継承し、より多くの方に加瀬さんの愛したF1を中心とするモーターレーシングを深く知っていただくために、“スクイチ”を永久保存とさせていただきました。
[STINGER-VILLAGE]村長 山口正己
お金のハナシ。
…..シンガポールには何でも”F1 Racing Energy Drink”って言う飲料があるんだそうな。で、チェッカー・フラッグのデザインの中には「Start Your Engine」のコピーが書いてあるんだとか…..ああ、こんなハナシを聞いてコアなF1ファンが思うのは「あ〜あ、やっちゃったな。まず、F1って言葉自体が勝手に使えるワケないし、しかもどう考えてもレッドブルの便乗商品だ。これでその会社はバーニーにコッテリ搾り取られちゃうんじゃないの。…..ってか、”Start Your Engine”ってF1じゃネエけどな!(笑)」的なことであろう。そう、”F1″なんて言葉を軽々しく自社製品の命名なんかに使っちゃ絶対ダメ。何故ならそんなことしたら確実に訴えられて、確実に大損をする。
で、案の定この会社(スピード・ドリンクス社)はF1のロゴの使用禁止を”フォーミュラワン・ライセンシングBV”から訴えられ、最終的に控訴を取り下げることで合意、つまり争うことを辞めてF1側の言う通りにし、7月1日に”和解”という形でこの件を終了した。スピード・ドリンクス社の実質的な損害がどれくらいかは解らないが、フォーミュラワン・ライセンシングBVの弁護士は「我々の勝利だ」と高らかに声明を出した。つまり、勝手に自社製品に”F1″と書いたらこういう目に遭いますよ、という、まあ良くある例のひとつ、である。
さて、今回のスクイチはタイトル通り”お金のハナシ”である。…..ま、正直に言えば筆者がコレと言ってソコに興味があるワケでもなく、ついでにあまりにも我々に身近な金額とは程遠く、むしろ相当にどーでも良いジャンルのハナシ、と言っても良い。が、多くの”スポーツ産業”に於いて、恐らく我らがF1世界選手権は相当にお金が動くジャンルである。そしてそれは近代モータースポーツに於ける広告の基準となり、運営から興行に至るまで、全てが完璧にコントロールされて来ている。何故なら、その基準を作ったのがF1界の首領、バーニー・エクレストンだからである。サーキット内での広告方式や世界へのTV中継での平等な露出と配分、そしてマーチャン・ダイジングに至るまで、全てを完璧に管理。バーニーがいなければ間違いなく現在のような方式で我々がF1グランプリと接することは出来なかっただろう。
思えば「グランド・スタンドで行き来するマシン以外に情報がない」退屈なクローズド・サーキット・レースでしかなかったF1。’60年代からのマシンに描かれたタバコ広告に始まり、サーキットのバリア付近に建つ企業ロゴ看板、各グランプリ開催協賛メーカー、白子駅の近くで売ってたベネトンのキーホルダー(細けーな)や公式パンフレットなどなど…..多くの露出によって華やかに演出されたF1グランプリの、その全てにバーニーの息がかかっている、と言っても過言ではないのである。もちろんF1の長い歴史の中で様々な事件があった。レースのボイコットや出場権剥奪、酷い時はF1チーム自体もまっぷたつに分かれての対立となり、選手権として非成立となったレースもあったし、近年に及んでもまだ金絡みで「このままだと独自の選手権立ち上げちゃうぞ」なんて話が出て来るほどである。しかしそれでも最後はバーニーが上手くまとめ、結果的に我々はこの極東の小さな島国でリアル・タイムでF1世界選手権全戦が鑑賞出来る状況を作って貰っているのだ。感謝。
…..と言ったことはコチラに詳しく書いてあるのだが、当然巨額の金が絡むと大きな問題が起きる。そして、それをその都度解決して来たのがバーニーの手腕であり、そして参戦チームによる労働組合たるFOCA/FOTAの努力による結果と言える。
前回のコラムで触れた”鈴木亜久里16億円支払い”のニュースもそうだが、こう不景気だと出て来る話も当然景気の悪いハナシばかりである。その結果がホンダやトヨタ、BMWらのF1撤退劇であり、超高級スポーツ・イベントであるF1に今まさに不景気が降り掛かっている。もちろんF1側だって考えてる。昨年の新規参入チームに関わるパジェット・キャップ案なんか完全に不景気対策である。経費削減のためにテスト禁止令を行えば「若手ドライバーにチャンスを与えられない」と批判。ろくに実走テストもないまま新しいパーツを付けてぶっつけ本番となるグランプリ・ウィークのフリー走行。せっかく高いお金出して開発したKERSが失敗で未使用となったシーズン…..全てが上手く運ぶワケもなく、反対に数年前まで好景気で多くの投資を行っていたこのジャンルの方々から見れば、こうして金銭的な理由で制限が増えるのは極めて不本意だろう。「我々も経費削減については考えている」と皆言うが、本音は「金出せばクルマが速くなるんならいくらでも出す」人達の集まりであるからして、そこには大きなジレンマも生じているのが現状である。
さて、運営/管理団体レベルの話だと結局は会社運営に近い部分になるので一般人の我々にはピンと来づらいが、良くあるハナシとして「F1チームは一体いくらあれば出来るのか」という疑問がある。もちろん、フェラーリやマクラーレンを運営するのとHRTやヴァージンを運営するのとでは大きな差が出来るが、現状、フェラーリやマクラーレンのような規模、つまり”毎年タイトル争いをするようなトップ・チーム”の年間予算は約400億円と言われている。これにはチームそのものの運営資金に加えてマシン開発費、ドライバーやエンジニアへの報酬を含む人件費、設備投資全てが含まれる。ちなみに”チーム”ではなく”エンジン・サプライヤー”という概念で考えた時でも、開発費用に数百億円、選手権に使用する現物が一基約3千万円ほど。よって、勝つ気があるのなら年間百億円単位の投資が必要となる。
これがトップ・チームではない中団以降のチームとなると、所謂”ピンキリ”の部類に入る。例えば今季新規参入した3チーム(ロータス/ヴァージン・レーシング/HRT)は、元々昨年までのFIA会長、マックス・モズレーによる”年間予算59億円案”にサインしたチームである。最終的にこの案は既存のチームの賛成を得られずに廃案となってしまったが、59億円でF1チームを運営するつもりだった3チームにとっては寝耳に水の大打撃である。結果的に現在各チームは「数年以内に年間予算を’90年代のレベルまで引き下げる」という非常にアバウトな目標の中でやりくりを行っているわけだが、この時点で想像出来る通り、400億円使ってるトップ・チームの1/4程度の予算であろうことは想像にかたくない。
ちなみに昨年末でF1から撤退したトヨタは、’05年の年間予算にフェラーリを上回る450億円を投資した。そして8年間/140戦に出走した世界屈指の自動車メーカー、トヨタは、F1で1勝も挙げることなく去って行った。反対に、’08年にレッドブル(年間予算約270億円)のBチームだったトロ・ロッソの予算はレッドブルの約半分(140億円)、しかし彼らは大雨で荒れたレースをポール・トゥ・ウィンで勝利してみせた。トヨタ側から見ればなんとも切ない話だが、これがレースの”痛快”な要素のひとつでもある。何気にこういったことは”スターの登場”に不可欠であり、この痛快な勝利によりF1はセバスチャン・ヴェッテルという新たなスターを得た。それは’90年開幕戦アメリカGP/フェニックスに於ける新鋭ジャン・アレジ(ティレル・フォード/ピレリ)と王者アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ/グッドイヤー)という、予算の少ない底辺チームの新鋭が、トップに君臨するベテラン王者を苦しめる様子に準えることが出来る。そのセナの登場も、トールマン・ハートで迎えた大雨の’84年第6戦モナコGPに於けるアラン・プロスト(マクラーレン・ポルシェ)との激闘により注目された経緯がある。必ずしも予算に恵まれた者だけが勝利者ではない、という例としては非常に興味深い。が、そうして低予算のチームの中で光った若者達が、その後巨額を擁するトップ・チームへと移籍して行くのもまた常である。ここで今度は”ドライバー”という一個人の年間金額に大きな変化が起きることとなる。
モーター・スポーツの”特殊な一面”として、ドライバーの活動資金を巡る特殊な状況があると言える。単刀直入に言って、ギャランティを貰って乗る者と、自ら資金を持ち込む者が混在するという点である。
一般的/常識的に見て、レーシング・ドライバーはチームに所属していればチームから給料/或は報酬を受け取ってレースに参加している筈である。それが1レース2万円なのか数千万円なのかは別として、それが”職業=レーシング・ドライバー”である以上当然である。が、世界中の自動車レースの頂点、それも僅か20数人しかなれない憧れのF1ドライバーとなると、”自腹を切ってでも出たい人”が出て来る。が、これが一般的なスポーツだった場合、試合に出場するレギュラー選手は当然ながら実力で選ばれる。もちろん中には”人気がある”という理由で成績が振るわない選手が観客集めのために出場する機会もあるだろう。が、それでは選手権に勝利出来ないので、通常レギュラーという概念では行われない。
そこが自動車レースの特殊な部分である。もちろん、相当に特殊な才能と技量を駆使し、体力的にもハードなF1ドライバーという職業は立派なスポーツ・アスリートである。が、それと同等以上に結果に対して重要なのがレースに使用されるクルマの性能である。極端に言えば、ライバル・チームのスゴ腕ドライバーに対し、平凡な技量のドライバーが新開発の空力パーツの使用によってコンマ5秒上回ることが出来るのが、開発というジャンルを持つ自動車レースの特殊なところ。よって、高額な報酬を必要とする天才レーシング・ドライバーを雇うことが出来ないチームは、反対に彼らに対抗出来るマシン開発に投資出来る持ち込み資金を持ったドライバーを参加させることでライバルを上回ろうと考えることが可能なのである。
…..それが誰、というハナシはなかなかディープなのだが、自動車レースが元々はヨーロッパの貴族達の遊びだったことを考えれば不思議なことはない。ある時には国王であり、裕福なチーム・オーナー自身であり、彼らのお気に入りの二枚目な男だったりした。その後スポンサーの御曹司や二世ドライバー、タレントなども巨額の持参金を手にF1のシートを手に入れた。
もっとも、まず自動車レース自体がカートやF3などの底辺カテゴリーから多くの活動資金が必要な競技であることは理解しておく必要がある。クルマ、エンジン、タイヤ、サーキット…..全てに於いて少年野球のようには行かないのがこのカテゴリーのハードルの高さである(そんな筆者もご多分に漏れず、資金難でカートを諦めたクチ)。こうした状況の中でアマチュア・レーサーがプロを目指すには豊富な資金源を持つ必要がある。それが裕福な実家なのか、ありがたいパトロンの存在なのか、企業レベルのサポートなのかはまちまちだが、一般的な会社員の給料でまかなえるレベルの金額ではない。よって、そこには大きなバックアップを持つものに勝利が齎される可能性が高いのである。しかし、こうした風潮は近年やや緩和されて来ているように見える。それも不景気の効果の表れなのかも知れないが、我が国では巨大メーカーのスカラシップによりF1に到達したばかりの若武者達が行き場を失っているのが現状である。が、そもそもスカラシップや金銭的なバックアップ以前に”トラック上で必要なドライバー”として速く、強いレーサーであることが必要なのを忘れてはいけない。バックアップはあくまでも”お土産”であり、それがメインになると”金の切れ目が縁の切れ目”となる。
…..さて、ここで興味深い一覧表を見てみよう。これは’10年F1世界選手権にエントリーしているドライバー達の年棒(推測)一覧である。
01 | フェルナンド・アロンソ(フェラーリ) | 33億6,900万円 |
02 | ルイス・ハミルトン(マクラーレン) | 17億9,200万円 |
03 | フェリペ・マッサ(フェラーリ) | 15億6,800万円 |
04 | ジェンソン・バトン(マクラーレン) | 10億800万円 |
05 | ミハエル・シューマッハー(メルセデスGP) | 8億9,600万円 |
05 | ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP) | 8億9,600万円 |
07 | ロベルト・クビサ(ルノー) | 8億4,000万円 |
08 | ルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ) | 6億1,600万円 |
09 | マーク・ウェバー(レッドブル) | 4億7,040万円 |
10 | ヤルノ・トゥルーリ(ロータス) | 3億3,600万円 |
11 | セバスチャン・ヴェッテル(レッドブル) | 2億2,400万円 |
11 | ヘイキ・コヴァライネン(ロータス) | 2億2,400万円 |
13 | ティモ・グロック(ヴァージン) | 1億1,200万円 |
14 | ニコ・ヒュルケンベルグ(ウィリアムズ) | 7,840万円 |
15 | ペドロ・デ・ラ・ロサ(ザウバー) | 5,600万円 |
15 | 小林可夢偉(ザウバー) | 5,600万円 |
17 | ヴィタリー・ペトロフ(ルノー) | 4,480万円 |
17 | セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ) | 4,480万円 |
17 | ハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ) | 4,480万円 |
20 | エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) | 2,240万円 |
20 | ヴィタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア) | 2,240万円 |
20 | ルーカス・ディ・グラッシ(ヴァージン) | 2,240万円 |
23 | ブルーノ・セナ(HRT) | 1,680万円 |
23 | カルン・チャンドック(HRT) | 1,680万円 |
(by Business Book GP 2010) |
この表を見て、まず最初にアロンソの群を抜いた年棒の高さに驚くかも知れないが、これでも不景気の煽りで相当に相場が下がった結果、と言える。ところで、実は今年のデータには興味深い点が存在する。それはここにいるドライバーが全員チームから報酬を受け取っているドライバーである、ということ。つまり資金持ち込みによる自腹のみのドライバーがひとりもいないのは、極めて珍しい状況なのである。
もちろん、この表はあくまでも彼らが所属するチームから受け取る”年棒”であり、それぞれの契約書に書いてあるであろう”持ち込み資金額”とは別の問題である。つまり、自ら持ち込むだけでタダ働きのドライバーは今季のグリッドにはいない、ということ。そして同様に、これが彼らレーシング・ドライバーの年間の稼ぎの全てではない。これはあくまでもチーム側からの報酬であり、個人的にスポンサーなどから多額の支援を受けている者が殆どである。
例えばアロンソは今季3人いるスペイン人ドライバー(ペドロ・デ・ラ・ロサ/ハイメ・アルグエルスアリ)の中で最も多くの母国企業からの支援を受けている。フェラーリ在籍の元ワールド・チャンピオンであれば企業の集中も当然だろうが、アロンソの実質的な総収入額は年棒の約2倍、と言われている。
ちなみに’09年は中嶋一貴(ウィリアムズ)、途中出場のロマン・グロージャン(ルノー)がチームから1円も受け取っていない無報酬ドライバーだったと言われている(もちろんスポンサーからの個人収入は別である)。それが今季はゼロ、それも新規参入チームもいる中でこの結果は意外なもの、と言えるだろう。また’09年と言えば、ホンダ撤退〜ブラウンGP誕生で大幅な年棒カットを受け入れたバトン/バリチェロが興味深い。
バトンは’08年のホンダからの年棒が約15億円、それが’09年は5億円まで下がった。これは通常であればバトンほどのベテラン・ドライバーには受け入れ難いものだが、チームがロス・ブラウンのマネジメント・バイ・アウトによって救われたことと、ホンダの置き土産であるブラウンGPの新車が選手権を争えるレベルにあることからこの額を受け入れ、しかも移動の飛行機代などは自腹で賄った。最終的に王座を手にしたバトンは10億円でマクラーレンへと移籍。”年棒倍増”と言えば聞こえは良いが、それでも2年前の1/3の報酬で我慢しているのが王者の現状なのである。
ちなみに若きチーム・メイトのニコ・ロズベルグと同額のミハエル・シューマッハーだが、昨年までのフェラーリ・アドバイザーという役職での報酬が約7億円。こうして見ると皇帝の現役復帰と騒がれる割に意外な金額と言えるが、ギャラではなくアスリートとしての本能がシューマッハー復帰の理由であることは疑いようもない。
…..そうこうしている内に、第10戦イギリスGPではHRTがブルーノ・セナに代わって山本左近を出場させるという”事件“が起きた。チーム/セナ共にこれが噂されたセナのスポンサーの未払いによる金銭的なトラブルではないと表明しているが、ではどうしてセナは年間契約している筈のシートを他人に譲らなければならなかったのだろうか。実際に彼らの契約書の中身など解りようもないが、一般的に見て他に理由が思い当たらない。「左近にチャンスを与えたかった」そんな理由で突如、それも金曜日フリー走行間際になって現場で言われたセナはたまったものではない。これは明らかにセナ/スポンサーに対する圧力、と考えられる。恐らく左近が持ち込んだ資金(一説には5億円)を元に、HRT/コリン・コレス側がセナ側に「支払いが滞ればこういった事態もあり得るんだぞ」と前例を示したのだろう。そしてそれは今後チーム・メイトのカルン・チャンドックに対しても行われる可能性があり、またもうひとりのリザーブ・ドライバーであるクリスチャン・クリエンにも出場チャンスがある、と考えて良いだろう。チャンドック自身「決めるのはチーム」と、そう言った内部事情を認めている。HRTの「我々には4人のドライバーがいる」とは、そういう意味なのだ。
こうしたチームの資金難によるドライバー交代劇は数シーズン前までは繁栄に行われていた。特にトロ・ロッソの前身であるミナルディやフォース・インディアの前身スパイカー、及びその前身のジョーダンなどにはシーズン後半になると持ち込み資金の豊富なドライバー達が順番を待った。そう考えると今季の新規参入チーム、ことにロータスは”F1での勝利経験のあるドライバーを”とヤルノ・トゥルーリ/ヘイキ・コヴァライネンになかなかの高額なギャランティを支払っている、と言える。ヴァージンも、ティモ・グロックをトヨタで最高位2位を獲得している実力者と高評価しての金額設定。もちろん皆かつてのチームに比べて安くはなっているが、それでも金額は自らの評価に直結しており、ドライバー自身にとって大きな意味を持っている。
何かと謎の多いF1チーム/ドライバーの金銭面。何もかもがケタ違いのこのF1という巨大なサーカスの中でもしも他よりコンマ5秒速いドライバーがいたのなら、資金豊富なトップ・チームが巨額の報酬を支払ってチームを最強にしようと考えるのがベストである。それがかつてのフェラーリ+シューマッハーであり、セナ+マクラーレンやナイジェル・マンセル+ウィリアムズだった。そういう意味で今季のアロンソ+フェラーリは…..決して金額に見合った働きが出来ているとは言い難いのが現状である。同時に、スポンサー・ロゴのない真っ白に近いマシンでひとりで得点を叩き出している我らが小林可夢偉がどうにも理不尽に思えて来るから不思議だ。
いや、なるべくそんな眼でレースを観るのはオススメしない…..。
「お金は重要じゃない。快適なチームと競争力の高いクルマが必要なんだ」/セバスチャン・ヴェッテル