リリース-ピレリ【バレンシア・テスト3日目】
成功に終わったバレンシア・テスト
F1タイヤの公式サプライヤーとなる今年、最初のテストがバレンシアで無事に終了。各チームは新しいマシンがピレリ・タイヤを履いてどのような挙動を示すか確認する作業をおこなった。
ピレリは、バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットにスーパーソフト、ソフト、ミディアム、ハードという4種類のスリック・タイヤをすべて持ち込んだが、気温が朝10度、午後も18度と低かったため、ほとんどのチームはハード・タイヤを使用していない。
雨が予想されていたことから、インターミディエイト※とレイン・タイヤも用意していたが、3日間のテストはすべてドライコンディションとなり、雨用タイヤは使われていない。
多くのチームがバレンシアで新しいマシンを発表し、シェイクダウンをおこなった。最初のテストでは、主に運動エネルギー回収システム(KERS)、可動式リヤ・ウイング、そしてピレリPゼロ・タイヤなど、新しく採用される要素の確認に重点が置かれていた。
昨年アブダビでおこなわれた最初の公式テスト後、ピレリはさらなる開発をすすめ、バレンシアから始まるスペイン国内3ヶ所でのテストを消化し、バーレーンで最後の公式テストをおこなったあと、3月13日に同地で開幕を迎える。
参加した12チームは、今シーズンを共に戦うピレリの担当エンジニアと初めて共同で作業をおこない、幅広い種類のタイヤを試すこととなった。新しいドライバーが加わったチームも多く、バレンシア・テストはきわめて重要な学習の場という役割を果している。
気温が低く、主に2輪で使用されるバレンシア・サーキットのタイトなレイアウトもシーズン中の条件と異なるものだが、それでもドライバーはピレリ・タイヤの感触を確かめ利ことができたようだ。全員がタイヤをどのように使うかという点を2011年シーズンの重要なポイントと考えており、新しいピレリ・タイヤは戦いをより興味深いものにする要素となるはずだ。
◆ポール・ヘンベリー (ピレリモータースポーツ・ディレクター)
「タイヤのトラブルなく3日間のテストを終えることができ、各チームは重要な時期のテスト・プログラムを順調にこなしていた。もちろんまだ始まったばかりでチームの状況がそれぞれ異なっていたため、タイムを比較することにはあまり意味がないだろう。重要なのはドライバーやチームからのフィードバックだ。いまのところ反応は良く、本格的な共同作業を始められた意義も大きい。短い日程ではあったが、どのチームをこれまでのタイヤとの違いを感じ取ってくれた。狙い通り、1セットのタイヤでレース距離を走りきることはできないので、今年はより興味深い戦いが繰りひろげられることだろう」。
レインとドライの中間のタイヤのこと