オリジナル リリース-ピレリ【イギリスGP(金)】
雨のシルバーストンでグリップを得る
2011年7月8日、シルバーストン
断続的に降り続く雨の中で2度のフリー走行が行なわれ、ピレリのPZeroブルー・インターミディエイト・タイヤとPZeroオレンジ・ウエット・タイヤが、思いもかけず今日のスターになりました。イギリスの天候は予測不可能なことこの上なく、金曜はまさにその好例になりました。小雨から強雨まで雨脚は幅広く推移し、気温は15度、路面温度は16度と寒いコンディションとなりました。
セッションの最初はフルウエット・タイヤでの走行となりました。しかし路面が乾くにしたがってPZeroブルー・インターミディエイト・タイヤへの交換が進んでいきました。このタイヤは対応範囲の広さで高い評価を受けており、カナダではマクラーレンのジェンソン・バトンが、このタイヤで後方からの追い上げを見せて記憶に残る勝利を飾りました。
昨年のイギリスGP勝者であるレッドブルのマーク・ウェバーは、PZeroブルー・インターミディエイトで午前中のFP1の最速タイム1分46秒603を記録しました。これは2位のメルセデスGPのミハエル・シューマッハに0.5秒以上の差を付けるものでした。
セッションの終盤には、マクラーレンのルイス・ハミルトンとフェラーリのフェルナンド・アロンソがPZeroホワイト・ミディアム・タイヤを履きました。これは今回のシルバーストンのみの特別措置として金曜フリー走行に用意された2セットのうちの1セットです。路面はスリックタイヤで走行するにはまだ濡れすぎた状態でしたが、両チームはこれによって今週末に役立つであろう空力評価テストを行ないました。
午後はさらにウエットなコンディションになり、雨脚は強く、秒速10mを超す強い風が吹き付けました。上位勢のほとんどはFP2終盤までコースインせず、最後にフェラーリのフェリペ・マッサがPZeroブルー・インターミディエイトで1分49秒967を記録してトップに立ちました。2位のメルセデスGPのニコ・ロズベルグもインターミディエイトを履いてタイムを記録しています。
これまで雨天用タイヤは、ドライバー1人あたりにウエット4セット、インターミディエイト4セットが供給されていましたが、先日のレギュレーション変更により、レース週末にインターミディエイト・タイヤが1セット追加で供給されることになりました。
しかしさほど雨天用タイヤは必要ないかもしれません。今週末のこの後の天気予報によれば、天気は快方に向かい、土曜と日曜にはドライウェザーが予想されています。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「このような天候コンディションでしたから、はっきりとした結論は導き出すことができません。しかし改めてPZeroブルー・インターミディエイト・タイヤの適応力と守備範囲の幅広さは確認できました。各チームはウエット用のセットアップ作業を進めることができました。今日の主な目的は、ウエットとインターミディエイトのクロスオーバーポイントを正確に把握することでしたが、それに関しては有益なデータを充分に収集することができました。雨脚が信じられないほど強くなりましたが、このレースの象徴とも言える場所には大勢の観客が訪れ、イギリスのファンの興奮が湿ることはありませんでした。今日の状況によって、明日の予選の予測がさらに難しくなりました。明日の最終フリー走行でしっかりと作業を完了することが非常に重要になるでしょう」
F1のフリー走行に続いて、GP2予選、GP3フリー走行が行なわれました。これらF1へのステップアップカテゴリーに参戦するイギリス人の未来のスターたちは、昨日ピレリのゲストとしてF1パドックを訪れ、ホームグランプリでメディアと懇談しました。
タイヤに関して:
統計によれば、今年はシーズンのこの時期としては過去27年間で最も多くのオーバーテイクが見られています。この流れのままでいけば、1984年の624回という最多記録を優に上回ることになります。