オリジナル リリース-ピレリ【ドイツGP(日)】
2011年7月24日、ニュルブルクリンク
ドイツGPではマクラーレンのルイス・ハミルトンが2011年シーズン2回目の勝利を飾りました。自身通算16度目の優勝で、彼にとってはニュルブルクリンクで初めてのポイント獲得でもありました。60周で争われたスリリングなレースでは何度も激しいトップ争いが繰り広げられ、フェラーリのフェルナンド・アロンソが2位、ポールポジションからスタートしたレッドブル・レーシングのマーク・ウェバーが3位となりました。
全ドライバーがPZeroイエロー・ソフト・タイヤで臨んだスタートで、ハミルトンはウェバーを抜き去りました。14周目に先にピットインしたウェバーはソフト・タイヤに交換し、3台で接戦を演じていたハミルトンとアロンソを逆転してトップを奪い返しました。
ウェバーは2度目のピットストップも他の2人よりも早い30周目に行ないましたが、ハミルトンは翌周すぐにピットインをしてウェバーと並ぶようにしてコース復帰を果たし、ターン1でギリギリのバトルの末に再びリードを奪いました。アロンソも32周目に同じ戦略を採りましたが、際どい争いを制したハミルトンが再び前に立ちました。
上位3人は3回のピットストップを行ない、最初の3回のスティントはソフト・タイヤ、最後のスティントにPZeroホワイト・ミディアム・タイヤを履くという同じ戦略を採りました。気温13度という寒いコンディションでは、ソフト・タイヤはミディアム・タイヤよりも1周1秒以上速くなると予想されていました。さらには雨の可能性もあり、どのドライバーもできるだけ長くPZeroイエロー・ソフト・タイヤで走り続ける戦略を採ったのです。
ハミルトンは残り9周の時点で、他のドライバーよりも先に最後のピットストップを行ないミディアム・タイヤへと履き替えました。アロンソはその2周後にピットに向かいましたが、作業を終えてコースに復帰すると、素早くミディアム・タイヤからレーシングスピードを引き出すことに成功したハミルトンの後塵を拝することになってしまいました。エイドリアン・スーティルは2回ストップ作戦の最上位で、母国レースで今季最高位となる6位を獲得しました。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「ハミルトン、アロンソ、ウェバーがピットストップでアドバンテージを得ようとトライしたように、レース全体がタイヤ戦略によって動きました。ソフトとミディアムには大きなタイム差があると予想する人もいましたが、ルイス・ハミルトンは上位勢で最初にPZeroホワイト・タイヤに交換しながらも堂々と勝利を挙げて見せました。今回も戦略は幅広く、最終ラップにピットストップを行なったドライバーが2人いたほどでした。低い気温とスムーズな路面のせいで、今回はタイヤが非常に長くもちました。我々のタイヤが全くもたないと言う人もいたシーズン序盤戦とは対照的なレースでしたね! このことで、F1チームやドライバーがいかに素早くグリップを引き出す能力に長けているかが証明されると同時に、タイヤサプライヤーとしての役割がいかに複雑なものであるかということも示されたと思います。しかしながら今日は多くのクルマが3回ストップを行ない、これはまさに我々の狙った通りの展開でした」