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タイヤから見たベルギーGP

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タイヤから見たベルギーGP

2011年8月25日、スパ・フランコルシャン

スパ・フランコルシャン・サーキットは伝説的なコースであり、今シーズンのカレンダー中で最長の全長を誇り、高低差の変化が大きく、エンジン全開率も非常に高く、天候の変わりやすさでも知られています。まさに真のドライバーズサーキットであり、スパを2度以上制したことのあるドライバーは皆、少なくとも1度はタイトルを獲得しているほどです。その理由を紹介しましょう。

サーキットについて:
オールージュはシーズン全体の中でも最も難しく、それと同時に最も大きな満足感を味わうことのできるコーナーのひとつです。290km/hで進入し、縦方向に1G、横方向に5Gもの荷重と戦います。この際、左フロントタイヤには約1000kgの荷重がかかり、オールージュを抜ける間ずっとトラクションを生み出し続けなければならないリアタイヤにも950kgの荷重がかかります。

プーオンは非常に難しい下りの左コーナーで、290kmhで進入していく際にはタイヤの温度が極限まで上がります。コーナーの始めから終わりまでずっと4Gもの横Gがかかり続けるのです。この力に耐え、加速段階にある時でさえ完璧なコーナリングラインを維持することが、タイヤに課せられた使命です。

第3セクターは高速で流れるようなレイアウトで、マシンは長時間にわたって全開で加速し続けます。そのため、タイヤはダウンフォースが生み出す1100hgもの縦方向の負荷に耐えなければなりません。全開で駆け抜けるコーナーの中でタイヤは、4Gという横Gに耐えながら、正確なマシンコントロールを実現しなければなりません。300km/h以上の世界でレーシングラインをなぞるためにはそれが必要不可欠だからです。

ラップの終了箇所では、スタート/フィニッシュ・ストレートへ向けて再び全開にする前に、ドライバーはタイトな右アングルが待ち構えるバスストップシケインへ力強く突っ込んでいきます。

ピレリ・テストドライバーのコメント:
ルーカス・ディ・グラッシ:「スパはまさに古いスタイルのサーキットで、すごく高速でなおかつテクニカルだね。僕はすごく好きだし、とても楽しいサーキットだよ。セットアップ面では、いつも妥協を強いられることになる。ストレートでは最高速が重要である反面、高速コーナーではダウンフォースが必要だからね。オーバーテイクが可能なポイントもたくさんある。例えばオールージュの後も絶好のポイントだし、とにかく勇敢さが試されるサーキットなんだ。タイヤにとってはチャレンジングなレースになる。高速で空力的なダウンフォースも大きいから、タイヤにかかる負荷は非常に大きくなるからね。もうひとつの大きな要素は、天候だ。僕の経験から言えば、レース週末のどこかではインターミディエイトやウエット・タイヤが使用されることになると思う。サーキットのどこかがドライでも、他の場所では雨が降っていたりするしね」

F1用タイヤのエコロジーな廃棄方法:
 “グリーンテクノロジー”プログラムの一環として、ピレリは環境に配慮した活動を実戦しており、2007年より市販車用タイヤや競技用タイヤの製造にアロマティックオイルを使用ておりません。2010年の1月1日からは、ヨーロッパの法律に基づいて全ての市販車用並びにモータースポーツ用タイヤはアロマティックオイルを使用せずに製造されています。

また、こうした活動の一環として使用後のF1用タイヤ廃棄にもエコロジーな方法を採っています。使用済みタイヤは全てディドコットのファクトリーに運ばれ、市販車用タイヤとともに断裁されます。

断裁されたタイヤの小さな塊は、非常に高温で焼かれ、セメント工場の火力として利用されます。その温度は1400度にも達しているため、有害物質は発生せず、微少な無害の灰が残るのみです。

ピレリは2002年からイタリアでこの技術を利用しており、昨年GP3でシングルシーター用タイヤの供給を再開してからもこの技術を採用してきました。今年は全世界で総計8万本のタイヤをこの方法で廃棄しています。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:「我々は常に環境対策を非常に重要視してきました。F1用タイヤの廃棄方法がまさにその大きな証拠だと言えるでしょう。実際に、いずれはサーキットに向かう道の路面が全て我々のタイヤからのリサイクルで作られるかもしれません」

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