リリース-チーム・ロータス【モナコGP プレビュー】
◆ヤルノ・トゥルーリ
「モナコはドライバーにとってもチームにとっても、特殊なレースなんだ。大きな挑戦だし、混乱とちょっとした狂気が入り混じった、独特の雰囲気がある。どこへ行っても誰かに声をかけられるのはいいけど、それが1週間ずっと続くとプレッシャーにもなるんだ。もちろんみんなが、そんな状況に置かれているんだけどね。ここで勝ったのは大きな勲章だし、僕はモナコの優勝経験者だ、と言えるなんて、ものすごくラッキーだったと思う。あのときは、大騒ぎだったよ。レースの夜はモナコ王子と食事をしたんだ。実際、あのときの方がレースよりも緊張したぐらいだよ。でも、過去をふり返っても仕方がない。息子たちが大きくなって、父はモナコGPに優勝したと自慢するのはいいんだけど、僕自身は、まだ前を見ているんだ。今年のレースは、きっと素晴しいだろうね。すでにタイヤが予選や決勝に大きく影響してるけど、ここではさらにその傾向が強くなるはずだよ。タイヤはスーパーソフトとソフトの2種類だから、スペインのときほどタイムに差がでることはないだろうね。空力性能はそれほど重要じゃないし、むしろ戦術が鍵を握ることになる。うちにはその点、優秀なスタッフが揃っているから問題ないよ」。
◆ヘイキ・コバライネン
「スペインからまっすぐモナコに向かって、シーズン屈指の難コースに挑むよ。優れたマシンが必要なのは言うまでもないけど、空力があまり重要ではないサーキットの性格上、絶対的な性能がモノをいう割合は小さいだろうね。普段は公道として使われているコースだから、最初は路面の状態が極めて悪くて、走るたびにコンディションが変化するんだ。これに対処するには、経験が必要だよ。モナコは得意だし、他のサーキットほど性能差がでないから、経験を活かして上位チームに対抗したいね。DRS(可変リヤウイング)についてはいろいろ言われているけど、フルスロットルで走る区間が少ないから、効果は限定的だろうね。それに、僕たちはKERS(カーズ=Kinetic Energy Recovery Systemの略。運動エネルギー回生装置)を使っていないから。追い越しに有効かどうかはともかく、可変ウイングが前のマシンについて行く上で役立つことは間違いないね」。