山本尚貴、予選で圧倒的な集中力!!–2016スーパーフォーミュラ開幕戦
2015スーパーフォーミュラ最終戦の第2レースに勝った山本尚貴が、その勝機を越年で引き継いだ。
スーパーフォーミュラの開幕を告げる『 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース』が、三重県の鈴鹿サーキットで行なわれ、ホンダ・エンジン搭載の山本尚貴が、最後の最後に”一発”を決めた。
今回最大の話題は、F1GP第2戦のバーレーンGPにマクラーレン・ホンダでスポット参戦し、いきなり入賞したストフェル・ヴァンドーンの参戦。F1GPヨーロッパ・ラウンドとの並催レースとして行なわれたGP2シリーズで2015年のチャンピオンを奪ったべルギーの逸材だ。
これまで、中嶋一貴と小林可夢偉の二人のF1経験者でも、簡単には通用しない職人の世界として知られているスーパーフォーミュラを、鋭い切れ味と安定した速さを併せ持つ天才がどう走るか、そして、2015スーパーフォーミュラ・チャンピオンの石浦宏明を初めとする”先輩”たちがどう応戦するか。もう一人の”新人”暴れん坊の関口雄飛にも、ファンの視線が注がれた。
今年からスケジュール入りした金曜日のフリー走行が始まる前から、ブリヂストンに変わって供給されるヨコハマ・タイヤの特性の違いが話題になっていた。その”差”をどうコントロールするかが、しばらくはドライバーとチームにとってのテーマになることが明白になる予選だった。
予選はF1と同じく3分割され、Q1で14台に絞られ、Q2で6台が振り落とされて、残った8台でポールポジョンを争うQ3が行なわれたが、Q1で優勝候補の一角であるアンドレ・ロッテラーのスピンで赤旗中断。さらに予選が進むと、ジョアオ・パオロ・オリベイラ、中嶋一貴と間違いなくトップ争いに絡んでくるドライバーのスピンが相次ぐ大荒れの展開となった。
小林可夢偉も、Q3に進出したものの、最終アタックでタイムを伸ばせず、8番手に沈んだ。
ヨコハマ・タイヤは、特にリヤのグリップの感覚が掴みにくいとドライバーは異口同音。Q1で敗退したオリベイラは、ダンロップ・コーナーでのスピンを、「リヤのグリップがちょっと足らなくて。アクセルオンが少し早すぎた」と肩を落した。
攻めれば攻めるほど難しくなるタイヤであることが見えたが、Q3の最後にアタックに入った山本尚貴は、その状況の中で高い集中力をキープ。得意の鈴鹿で絶妙な巧さを見せ、2位を0.4秒引き離す圧倒的なタイムで逆転ポールポジョンを奪った。
2位は、国本雄資、3位に関口雄飛が飛び込んだ。ヴァンドーンは4位。関口とヴァンドーンという二人の贅沢な”新人”が、日曜日の15時15分からの決勝レースでも、注目を集めそうだ。
ポールポジョンの山本尚貴は、「金曜日に電気系統トラブルがあったけれど、土曜日に走り始めたらクルマが調子よくなくてポールを取れそうもなかったけれど、みんながあきらめずにやってくれたのでそれに応えることができました」と表情を崩さずに答えた。
2位は、国本雄資。今年から浜島エンジニアがチーム入りしたP.MU/CERUMO·INGINGのチームメイト、ディフェンディングチャンピオン石浦宏明の不運を余所に、トヨタ勢最上位のタイムを記録した。
関口雄飛は、3位の結果を問われて、「まぁまぁですが、週末全体としては、不満が残ります。今朝までクルマが決まらなかった。でも、チームの人たちが凄くがんばってクルマがうまく仕上がったので、決勝でもいいレースができそう。スタート練習しているので、スタートでトップに行けるかもしれないので、観ていてください」と、大見得を切って、明日のレースを楽しみになものにした。
◆2016全日本スーパーフォーミュラ開幕戦予選トップ10
1. 山本 尚貴 / TEAM 無限 SF14 HONDA
2. 国本 雄資 / P.MU/CERUMO·INGING OYOTA
3. 関口 雄飛 / ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA
4. ストフェル・バンドーン / DOCOMO DANDELION HONDA
5. 野尻 智紀 / DOCOMO DANDELION M40Y HONDA
6. 小暮 卓史 / DRAGO CORSE HONDA
7. 塚越 広大 / REAL HONDA
8. 小林可夢偉 / SUNOCO TEAM LEMANS TOYOTA
9. アンドレ・ロッテラー / VANTELIN KOWA TOM’S TOYOTA
10. ジェームス・ロシター / フジ・コーポレーション KONDO TOYOTA