長屋宏和の監督報告–ヴィッツ関西シリーズ第3戦
鈴鹿サーキットで9月24日に行なわれたヴィッツ関西シリーズ第3戦の報告が、3台体制で挑むAVANTECHチームの長屋宏和監督から届いた。
今回の参加56台、予選落ちもある競争力の高いシリーズで、長屋監督率いる3台がどんなレースを戦ったのか、その様子と、今後の課題が報告されている。
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チーム代表者:高崎保浩
チーム監督:長屋宏和
ドライビングアドバイザー:佐藤公哉
チーフメカニック:永原達也
オフィシャルカメラマン:秋山昌輝
【第三戦 急遽の旧型投入】
限られた短い走行時間で、3人のドライバーが学び、成長してくれること。
結果も必要だが、AVANTECHでは、ドライバーの成長を最優先に考えている。
不運にも前戦では、練習走行にクラッシュし大破。3人のドライバーの精神力の弱さが表れた結果だと痛感した。
ヴィッツレースでは、新型と旧型の車が使用されており、噂では、旧型の方が1.5秒速いといわれているが、新型でもトップ争いをしているマシンがあり、真偽は定かではない。3人のドライバーは、「旧型に乗れればもっと走れる」という思いはあったはず。しかし、“成長”最優先で、イコールコンディションで争える環境(全員新型)とし、結果が出せるようになってから旧型を投入する予定だったが、今回、勝木車に原因不明のエンジントラブルが発生。急遽、来年投入予定だった旧型マシンを投入することになった。
【初めてのシングル 課題は山積】
・土曜練習走行
勝木 7位/51台
廣島 11位/51台
和田 22位/51台
土曜日の練習走行、走り始めから3人とも調子が良く、上位を走れる雰囲気があった。最終セッション、ヴィッツレース全ドライバーがタイム計測器を取り付けて走行。ある程度の予選順位を獲得できる走行だったので、予選シミュレーションを実施。
予選の練習では、予想通りの緊張のし過ぎでドライビングが硬くなり、勝木は、目標タイムよりコンマ5秒落ち。廣島は、新型の勝木のコンマ4秒落ち。和田は、初めての鈴鹿に慣れることを優先した。
【残念な予選 タイムモニターを見る気にもならず】
・予選
勝木 11位/56台
廣島 18位/56台
和田 36位/56台
タイヤ、エンジン、路面状況を考えると、上位と変わらないベストタイムが出せるはずだった。予選は、前日の予選シミュレーションでのミスを繰り返さないことを課題とした。上位は前日の練習走行よりも1秒以上タイムアップさせていたが、3人は自己ベストも更新出来ず残念だった。
ヴィッツレースなので、コンマ数秒遅くても順位は変わらないが、ステップアップした時には、チャンスを無駄にしてしまう。
【初ポイント獲得 悔いが残る予選】
・決勝
勝木 7位/56台
廣島 15位/56台
和田 27位/56台
決勝レースは、3台共に順位を上げ、良いレースをしてくれた。前に誰かがいるとタイムが出せるが、一人で走るとタイムが出せない。予選で上位に食い込むことが課題だと感じた。チームとして、初めてのポイント獲得は嬉しいことだったが、旧型を使用し、練習走行の走りを考えると、もっと上を狙えたレースだった。
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【次戦に向けて】
次戦は来週末、10月22日最終戦の鈴鹿。最終戦は3人共にマシンを入れ替え、新型を勝木、旧型を廣島と和田が乗る予定。それぞれが自分の良いところ悪いところに気付き、結果以上に学びを得てもらいたいと思っている。結果は、学びの量についてくると信じている。
最終戦も応援、よろしくお願いします。(長屋宏和)