52800人が楽しんだWEC富士6時間
12日金曜日6800人、13日土曜日14000人、14日日曜日32000人。合計52800人。
雨模様の中で行なわれた2018-2019スーパーシーズン第4戦富士6時間レースは、トヨタTS050 HYBRIDの1-2フィニッシュで幕を閉じた。
圧勝に見えながら、その実、チーム内には不安もあった。村田久武 TOYOTA GAZOO Racing WECチーム代表の言葉が、ゴール後の安堵を現している。
「“地元”富士スピードウェイでファンの皆様に最高のレースをご覧いただくことができ、素晴らしい結果を挙げることができ、本当に嬉しく思っています」
「週末を通し、多くの暖かいご応援を頂きましたので、見応えのあるレースをお楽しみ頂きたいと願っていました。“地元”富士でのレースは、我々にとって、とても重要で、目指す目標は、ファンの皆様や関係者の方々の前でワン・ツー・フィニッシュを果たすことでした」
「めまぐるしく変化する天候や路面状況に苦戦しながらもチーム全員の頑張りによって目的を果たすことが出来ました。今日のチームの働きをとても心強く思っています」
また、シーズン初勝利の小林可夢偉も、「母国でのレースで、2度目の優勝を果たせて最高の気分です」と喜びを語った。
「週末を通して本当に頑張ってくれたスタッフのおかげです。残念な結果となった昨日の予選失格から、全力で追い上げての勝利です。我々7号車がずっと待ち望んできた、表彰台の頂点に再び立つことが出来ました。これが残りのシーズンに向けての転換点になることを祈りますが、今はただ、ただ今日の勝利を喜びたいです」
優勝トリオのマイク・コンウェイも、「この結果は本当に嬉しいですし、トヨタのホームコースでワン・ツー・フィニッシュを果たせたことも素晴らしい気分です」と語った。
「簡単なレースではありませんでした。我々は8番手からのスタートを強いられましたが、いつもと同様TS050 HYBRIDの素晴らしいパフォーマンスと、可夢偉、ホセと全力を尽くし最高の結果を得ることが出来ました。今日のような着実で安定したレース運びこそ我々が目指していたものです。この2年間、勝てそうで勝てなかっただけに、2年ぶりのホームコースでの勝利は格別です」
また、予選でピットロードのスピード違反を食らってしまったホセ・マリア・ロペスは、「自身のミスから失った失意の予選の後だけに、トヨタと共に挙げた自身のWEC初勝利は、最高の気分です」と胸をなで下ろした。
「この勝利はマイクと可夢偉、チームスタッフ、そしてトヨタの東富士研究所の関係者やTMGのみんなのチームワークによるものです。チームにとってとても重要なこの一戦で勝つことが出来、この喜びは言葉には表せません」
一方、ルマン24時間など、常に勝利を味わってきたが、ここでは2位となった中嶋一貴は、「富士スピードウェイでワン・ツー・フィニッシュを飾れたというのは最高の結果で、心に残るレースになりました」と余裕のコメント。
「ドライコンディションでは7号車のペースが良かったので、我々8号車にとっては難しいレースになったのと、セーフティカーの導入タイミングが不運でした。しかし、それもレースですし、気にしていません。今日は2位に終わりましたが、チームが選手権を戦う上で良いレースが出来たと思います」
8号車のセバスチャン・ブエミも、「7号車のクルーに祝福を送ります。充分に勝利に値する素晴らしい戦いぶりでした」とライバルであり仲間のトリオを祝福。
「我々の8号車も頑張りましたが、7号車はレースを通して僅かに我々よりも上回っていました。ホームでの完勝は、チームにとっても素晴らしいレースでしたし、ワン・ツー・フィニッシュの一翼を担えたことを喜んでいます。ファンの皆様も楽しんでくれていれば幸いです」
先週の鈴鹿のF1、来週はアメリカのF1と、過密スケジュールのフェルナンド・アロンソは、「良いレースでした。我々8号車はセーフティカー導入のタイミングが悪く、レース序盤に築いた1分20秒のアドバンテージを失ってしまいました。でもこれもレースです」とレースを楽しんだ。
「今日の我々には7号車とバトルするのに十分な速さがなかったということだと思います。彼らを祝福します。彼らは週末を通して速かったですし、勝者に値します。チャンピオンシップを争う上では、ドライバー、マニュファクチャラ―いずれのチャンピオンシップもリードを広げることができましたし、全体的に見ればパーフェクトな週末だったと思います」
TOYOTA GAZOO Racing WECチーム一行の次の闘いは、上海。11月18日に決勝レースを迎える。
【STINGER】
photo by GAZOO RACING