第2回ドリフト世界一はロシアのチフチャン!!
11月2日~4日ゆりかもめの船の科学館駅前の特設会場で行なわれた第2回FIAインターコンチネンタル・ドリフティング・カップ(IDC)で、ロシアのゲオルギィ・チフチャンが、13カ国から集まった20人のドリフターズを抑え、優勝した。
2位がスイスのイヴ・メイエー、3位はタイのチャナッポン・ケードピアムと、異なる国籍の選手が表彰台を占めた。
昨年の初回大会からの最大の進化は、コースレイアウトの高速化。昨年は初開催だったことから、選手のレベルが想定できず、安全を考慮して比較的低速な設定だったが、今年は、スタートからのロングストレートから大きく右に曲がり込む高速コーナーから競技が始まるスリリングな設定となり、迫力あふれる走りが連発した。
天候に恵まれた金曜日と土曜日のプラクティスは、良好なコンディションで進んだが、本番の4日は途中から雨に祟られ、ドリフトには不向きなウエットコンディションでの闘いとなったが、最終ステージが夜間にかかるタイムスケジュールで、エンディングはドラマチックな夜景の中で競技が進んだ。
ソロランは、ライン、アングル(角度)、スタイルの3項目が30点ずつ、速度(振り出し&平均)が10点が配転され、まずは、グループAを走った第一回のチャンピオン川畑真人選手が85点のトップスコアをマークしたが、グループBで藤野秀之が86点を記録、さらに、ロシアのゲオルギィ・チフチャンが1本目を88点、2本目に95点という驚異的な得点を獲得。2位にマルコ・ザコリル、3位はイヴ・メイエーの結果となった。
ソロランの上位16名によるバトルトーナメントは、2台ずつ“並走”を、それぞれ先行と後追いを1本ずつ走ってポイントを競う。3人の審判員の投票で勝者が決まる。ウェットコンディションのため、速度よりもドライビングの正確性が最重要視されることになり、最終的に日産シルビア同士となった決勝戦で、ロシア出身のチフチャンが、昨年2位のアルカ
ーディ・ツァレグラツェフを破って二代目チャンピオンに輝いた。
初代チャンピオンの川畑真人は、デフ・トラブルで惜敗。イヴ・メイエーの準決勝に進出を許した。
優勝したゲオルギィ チフチャン
「記念すべきイベントとなりました。ソロランの結果から、バトルトーナメントの早い段階で同じロシアの仲間と戦わなければならないと分かっていました。日本のこのコースは、まさにドリフトの『聖地』であり、マシンもこのコースにピッタリ合っていました。本当は準決勝や決勝でロシアの仲間と戦いたかったですが、昨年はツァレグラツェフ選手に負けたので、今回はリベンジを果たせた気がします」
2位のイヴ・メイエー
「正直、今朝目覚めた時は、まさかこのような順位で終えることができるとは思いませんでした。世界各国のトップドライバーに囲まれて、私は”ドリフトキング”ではなく”ドンキーコング”のような感覚でしたが、レースを終えて、“ドリフトキッド”までは成長できた気がしますし、今後さらに成長したいと思います」
「素晴らしいオーガナイザー、最高のコース、ファンに囲まれて本当に最高でした。ドリフトを愛するファンに囲まれて競技をするのは最高です!!」
3位チャナッポン・ケードピアム
「ソロランでは2回ともマシンのトラブルで良い結果が残せなかったので、バトルランのためにマシンを大幅に調整しましたが、実は私はウェットの方が好きなのです。数年前にも、ドライの予選16位から、雨の決勝で優勝したことがあります。今回も運よく3位を獲得できて非常にうれしいです」
【STINGER】
photo by Tokyo Drift