オーバルでインディカー開幕!!–声援のない熱戦
2020年の世界中の総てのレースに先駆けて、テキサスのオーバルコースでリアルのレースが始まった。
インディカー・シリーズ開幕戦『テキサス300』は、超高速オーバルの200周で闘われ、ホンダ・パワー搭載のスコット・ディクソンがスリリングなレースで47勝目を飾った。
テキサス・モーター・スピードウェイは、バンクで長い時間強烈なGがかかることで知られ、ターン4のバンク角は24度、ターン1-3も5度のバンク角がつけられ、さしずめ巨大なすり鉢の中を走るイメージで、ドライバーがブラックアウトする事態で中止になった危なさ丸出しの厳しいコースだ。
オーバルの中でも極めつけの難コースが世界で最初のこけら落としレースになるというのも、今回のレースを象徴的にした。
もちろん、COVID-19の新型コロナ・ウィルスの猛威の中で、無観客でのレースとなったが、予選で佐藤琢磨(ホンダ)がクラッシュしてレースに出走できず、レースを前にホンダ・エンジンにECUの不具合が発見されて、ライアン・ハンターレイ(ホンダ)、アレクサンダー・ロッシ(ホンダ)、マルコ・アンドレッティ(ホンダ)がスタートに手間取る波瀾も加わって、いかにも初レースの状況の中で200周のレースがスタートした。
ポールポジションからスタートしたジョセフ・ニューガーデン(シボレー)が、スコット・ディクソン(ホンダ)をリードする形の序盤。しかし、ニューガーデンは、バイブレーションが発生してディクソンに抜かれたが、踏ん張って3位でゴールした。
途中、コースにデブリが出たことで出されたフルコースコーションを含め、単独クラッシュで4度のフルコース・イエローが出される荒れた展開のレースとなったが、残り12周で、順調にペースを上げ、2位の位置からスコット・ディクソンの背後を伺っていたフィリックス・ローゼンクビストが、ジェイムス・ヒンチクリフ Hを無理に抜いて姿勢を崩し、コントロールを失って単独スピン。惜しいレースを失った。
ルーキーのローゼンクビストや、中堅のザック・ヴィーチ(ホンダ)などが上位を争い、2020インディカー・シリーズは、期待のなかで開幕を終えた。次のコースは、インディアナポリスのインフィールドを使うロードコース。7月4日に決勝レースが行なわれる。
◆2020インディカー開幕戦トップ10
1. スコット・ディクソン H
2. シモン・パジェノー C
3. ジョセフ・ニューガーデン C
4. ザック・ヴィーチ H
5. エド・カーペンティア C
6. コナン・デイリー H
7. コルトン・ハータ H
8. ライアン・ハンターレイ H
9. オリバー・アスキュー C
10. トニー・カナーン C
【STINGER】
photo by INDYCAR