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スーパーフォーミュラ第3戦が素晴しかったこれだけの理由

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スーパーフォーミュラのタイトルバックにどうしてこういう写真? と思われたら本文を、どうそ。

7月17日に富士スピードウェイで決勝レースを行なった2016スーパーフォーミュラ第3戦は、非常に面白いレースだった。

その理由はいくつもあった。

◆レースを面白くするためのタイヤ作りをしているヨコハマ・タイヤ

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スーパーフォーミュラのタイヤが、今年からヨコハマのワンメイクになった。その変化を見据えて、開幕前の会見から[STINGER]は、「タイヤの持ちをコントロールして、レース距離を走りきってしまえないライフにしてほしい」と、お願いをしていた。ヨコハマ・タイやの担当は、「そうしたいのは山々ですが、耐久力が低いと思われるのはどうも」という反応だった。

だが、ヨコハマ陣営は、レースを面白くするために、その方向に振ってくれたようだ。今後、ソフトタイヤの導入も予定されているが、現状の方向で進めば、レースはもっと面白くなるはずだ。

◆ストフェル・ヴァンドーンの存在

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GP2の押しも押されぬチャンピオンであるストフェル・ヴァンドーンの参戦が話題になっていた。そのヴァンドーンが、予選でスーパーフォーミュラ初のポールポジョンを奪った。職人ぞろいのスーパーフォーミュラの中で、ウェットという不安定なコンディションだったとはいえ、これは特筆に値する。

もちろん、不安定なコンディションではあっても、全員が同じ条件の中で走っており、さらにヴァンドーンは、富士が初めてというオマケ付き。職人たちに刺激を与えたことは間違いないところだ。

そのヴァンドーン、冷静さでは群抜くベルギー人だが、ドライコンディションとなった決勝のスタート直後の1コーナーでタイヤを激しくロックさせる場面があった。冷静な彼にしては実に珍しい光景だった。

富士が初めてで、さらには週末がウェットコンディションだったため、ドライ路面をほとんど走っていないことがプレッシャーになっていたのだろうか。いずれにしても、ポールポジョンから4位にポジションを落し、そのまま終盤を迎えた。

鼻先をベルトラン・バゲットに押さえ込まれた格好だったヴァンドーンに、後方から、アンドレ・ロッテラーと激しいバトルを展開していた関口雄飛が追いつき、そして300Rを高速で駆け下った先のハードブレーキングを強いられるダンロップ・コーナで、ヴァンドーンのインを強襲してパスした。

ドライコンディションになると、スーパーフォーミュラの職人のレベルの高さをヴァンドーンも改めて認識したことだろう。

◆関口雄飛のガッツ

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スーパーフォーミュラを身体の一部としている職人に混じって、関口雄飛が素晴しい仕事をした。終盤、スーパーフォーミュラの職人の中でもトップクラスと言えるアンドレ・ロッテラーと堂々と渡り合った関口雄飛は、ヴァンドーンと同じくスーパーフォーミュラ3戦めの”新人”。気合の走りに、星野監督を、ヴァンドーンを抜き去った時の”凄いっ!!”という叫びを含めて何度もピットで絶叫させた。星野監督は、こういうドライバーを待っていたのだ。

関口雄飛は果敢なアタックで観客を釘付けにしたが、ゴール後に、「抜けたのはうれしいけれと、3位では満足できません」とらしくナマイキなコメントでまたまた拍手を浴びた。

◆中嶋一貴とJ.P.DE.オリベイラのトップ争い

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レースはドライコンディションになった。大方の予想通り、職人たちがレースをリードした。中嶋一貴がスタートで大ジャンプを決めて1コーナーで2番手までよじ登り、ジョアオ・パオロ・オリベイラのミスを突いてトップを奪った。

しかし、J.P.DE.オリベイラはミスを取り返す。終盤に中嶋一貴に追いついたJ.P.DE.オリベイラが、ブレーキング巧者の中嶋一貴を、1コーナーのブレーキングで交わしてトップ奪回。星野監督を狂喜させた。

これらのバトルは、タイヤのライフがちょうどいいところにあるからこそ実現した。タイヤ交換をしなくても最後まで持ってしまうタイヤでは、こういう展開にはならない。

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◆グランドスタンド裏で

こうした熱いバトルを、多くの観客が目撃した。三連休
の中日の17日、決勝の舞台となった富士スピードウェイには、35,100人の観客が集まったと主催者は発表した。スタンドは、閑古鳥が定番になっていたスーパーフォーミュラでは珍しい風情をみせていた。

そして、グランドスタンド裏は、いつも以上の熱気が土曜日か

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らあった。enjoy HONDAもその”出し物”のひとつ。幼年児が対象の自転車競走や、お絵描き教室からF1の展示まで、親子で楽しめる企画を山盛りで持ち込んだ。予算もかかったことだろうが、当然、S660を始めとする新車の展示や、コクピット体験ができ、家族連れが楽しそうだったのが印象的だった。

こうした催しでレースの会場が楽しい広場になれば、新たな観客が集められる。そのお客さん、つまり、たぶんレースファンだけではないお客さんが、迫真のレースを観た。

マニアだけでなく、より広い観客にアピールできるレースだっ

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た。観客席にスーパーフォーミュラはなかなか凄いじゃないか、ということが、伝わったに違いなかった。

マニアは放っておいても、すでにスーパーフォーミュラの楽しみ方を知っている。むしろマニアではなく、enjoy HONDA

や、トヨタがスタンド裏で工夫をこらしたイベントを目的に集まるようなお客さんが、”次も観たくなる”、そういうレース。だからタイヤを提供するヨコハマ・タイヤの姿勢が、そういう視点でますます進化してほしいと思わずにいられなかった。

[STINGER]山口正己
photo by JRP/[STINGER]

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