【GP2】佐藤公哉、ソチで初ポイントも不満
ソチの太陽を浴びてセッションに向かう。
ソチ・オートドロモでロシアGPのサポートイベントとして行なわれたGP2第10大会で、佐藤公哉は、今年デビューしたGP2で初めてレースらしいレースをして実力の一端を示し、レース2で重なる不運を乗り越えて、今期最高位の7位を得た。
今回の佐藤公哉は、金曜日のセッション開始から順調にスケジュールを進めた。
金曜日のフリー走行では、6番手と順調な滑りだし、続く予選でも7番グリッドを決めてレースを期待させた。
レースは、2レースが行なわれ、11日土曜日のレース1では、ダッシュを決めて6番手で1コーナーに進入したが、続く2コーナーでコースをショートカットした車両に進路を阻まれ、13位まで後退を余儀なくされた。
6周目にピットインの義務を済ませてピットアウトしたところでセフティカーが入り、さらに後続車に追突されてスピン。19番手まで順位を下げたものの、追い上げて13番手でゴールした。
レース2は、中盤までに10番手に浮上、セフティカーが入った段階では、9番手に順位をあげ、セフティカー後のリスタートを決めて7番手をゲット。そのまま後続を振り切ってGP2初のポイントを計上した。
佐藤公哉はレース後、「初めて走ったソチ・オートドロムは、思ったよりも高速コースで、フィジカルへの負担はシルバーストンに次ぐくらいだと感じた」とソチのファースト・インプレッション。「予選3番手を奪ったハンガロリンクのハンガリーGPほどではなかった」としながら、練習走行の段階からグリップがいいことを確認していた。
予選7番手について佐藤公哉は、「予選1 回目のタイムアタックでは、前のクルマがブレーキテストしたのでこちらも急ブレーキを踏まざるを得ず、タイヤにフラットスポットを作ってしまい満足な走りができませんでした。予選2 回目のタイムアタックはコーナーでオーバーシュートしてしまい、次のコーナーへ切り返しが遅れるというミスを犯しました。決して満足の行く予選ではありませんでした」と不満もあったが、レースには気を取り直して挑んだ。
「これまでの苦労が嘘のように、決勝レース1 はスタートが良かった。でも、6 番手を争いながら迎えたターン2では、後ろのクルマが何台もコーナーをショートカットしてターン3 へ復帰しました。あれでひとりしかペナルティが科されないなんておかしい。SC 導入のタイミングは、僕にとって良かったのか悪かったのかは微妙ですが、少なくともSC中に後ろのクルマに追突されてスピン、順位を大きく落としたのは致命的でした。なぜ、彼にペナルティが科されないのか僕には分かりません。このレース1、僕のペースはかなり良かったし、シングル・フィニッシュは確実だっただけに悔しくて仕方ない。GP2 ドライバーの多くは、当たっても仕方ないという感じで抜いてくるし、ルール違反もとがめられなければ儲けモノという走りをしてくる。そうしたドライバーには、きちんとペナルティを科さないといけないと思います。いまのGP2 は自動車レースではありません」。
「ずっと競り合い続けていたので、レース2 の21周は短く感じられました。レース前から、スタートで出遅れずアクシデントに巻き込まれなければ、トップ10には入れると思っていました。ようやくエンジニアやメカニックに喜んでもらえる結果を残せてホッとしています。今回はクルマの調子も悪くなく、チームの雰囲気も良かった。この状態を維持して最終大会を迎えたいですね」
次のGP2第11大会は、11月21〜23日にアラブ首長国連邦・アブダビGPのサポートイベントとして開催される。