由良拓也デザインのGT300ロータス・エボーラ
左フェンダーミラーもこだわりのひとつ。
1月9日に開幕した年始の人気イベント”2015東京オートサロン”で、注目のマシンが発表された。GT300用のマザーシャシーにロータス・エボーラのボディをかぶせたGT300マシンだ。
“空気が見える男”として名高いムーンクラフトの由良拓也デザイナーが、チームオーナー兼ドライバーの高橋一穂の要請を受けてデザインを担当、『カーズ東海 ドリーム28 & LCI Ltd』のチーム名で今年のスーパーGTのGT300クラスに参戦する。ドライバーは高橋一穂/加藤寛規で、ムーンクラフト・カーズがメンテナンスを行なう。
由良デザイナーは、「久々に非常に楽しんで作業を進めました。終わってしまったのが残念なくらい」と満足な表情だが、実は、この形は最終形ではなく、カナードや小さなウィング類が追加されるという。由良デザイナーは、「外見で狙いの80%は分かってしまうので、ギリギリまで見せたくないですからね」と、いたずらっぽく笑った。開幕直前のテストで、どんな変更が加えられるのか興味深いところだ。
また、小さな特徴として、左側にフェンダーミラーの”復活”が挙げられる。「ドアミラーは、左に大きく顔全体を向けないと見えないけれど、フェンダーミラーにすることで、視線を移動させるだけで後方確認ができるから、安全面に寄与できます」と由良デザイナー。
カラーリングは、ロータスをイメージして、ブリティッシュ・グリーンや黒に金のストライプのJPSカラーも検討されたが、白地に赤いストライプー入れて、金の枠を付けようかな、と由良デザイナー。イメージとしては、ゴールドリーフ・カラーになるのかもしれない。
開発費を含むチームのスケールは、ワークス勢に比べるべくもないが、エースドライバーの加藤寛規は、「イギリスの名門のイメージを持つクルマをムーンクラフトが磨き上げたということで大いに期待している。表彰台の一番高いところを目指したい」と意欲を見せた。
注目の2015スーパーGTシリーズは、4月5~6日に岡山国際サーキットで幕を開ける。
[STINGER]山口正己
◆ロータス・エボーラ主要諸元(括弧内は、市販のロータース・エボーラ)
シャシー:GT300マザーシャシー/フルカーボンファイバーモノコック
エンジン:GTA V8 4.5リッター
全長:4638mm(4380mm)
全幅:1946mm(1850mm)
車高:1152mm(1230mm)
地上高:50mm(125mm)
重量:1050kg+(1440kg)
ギヤボックス:ヒューランド6速/パドルシフト
ブレーキ:アルコン6ポッドモノブロック
ダンパー:オーリンズ
パワーステアリング:KYBエレクトリックシステム
ECU:BOSCH MC55.0
シートベルト:TAKATA6点式FIA公認
ホイール:RAYS
タイヤ:ヨコハマ
特徴的なリヤビュー。大型ウィングが迫力を増し、複雑な形状のアンダーカウルが目を引く。
まさに”空気が見えている”由良デザイナーらしいサイドシルの形状に注目。
リヤフェンダー回りも、”楽しんだデザイン”が伺える。
テールの処理も、細かい配慮が見える。
開幕直前のテストのときには、カナードや、小さなウィングが追加されるという。