気になるトヨタのル・マン体制変更
去年の2位トリオではある。ゴールまで数分の悪夢を見た2016年ル・マン。トヨタは去年の雪辱は果たせるか。
トヨタ自動車株式会社は、6月17日にスタートする世界耐久選手権(WEC)第3戦のル・マン24時間に向けて、ドライバー編制の変更を発表した。
発表によると、開幕戦シルバーストーンでの負傷で、ポルシェ919 HYBRIDを挟んで1位と3位を獲得したスパ-フランコルシャン6時間に欠場したホセ・マリア・ロペスを”ル・マンへ向けての充分な走行経験を積むことが出来なかった”として9号車に回し、ラピエールと国本雄資とのトリオに編入、元ロペスが乗るはずだったスパ6時間レースを二人で戦った7号車には、小林可夢偉/M.コンウェイに加え、ステファン・サラザンを3人目のドライバーとした。
このトリオは昨年のル・マン24時間レースで2位を獲得し、シーズンのランキングでも3位に入った組み合わせになるが、この段階での組み換えした状況に若干の不安も残している。
スパ-フランコルシャン6時間に勝った中嶋一貴/セバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビッドソンの8号車に変更はなく、3年目となるこのトリオによって、昨年の雪辱を果たすべく、ル・マンでの初制覇を目指す、としている。
佐藤俊男 TOYOTA GAZOO Racing代表は、「ホセ・マリアの開幕戦での負傷、第2戦欠場という結果を受けて、ここ数週間で状況が変わった。WECで僅かな周回しかレースを戦っていないことで、ラインナップの変更を検討した。ステファンが#7号車のドライバーとして加わることで、必ず勝利を争ってくれると確信している」
「ホセ・マリアは雄資同様に今年のル・マンで、コースやイベントなど、多くのことを学ぶでしょう。そしてそれは将来へ向けての貴重なステップとなることでしょう」とコメントした。
これまでの日本メーカーの得意フレーズは、”今年は準備の年”というものだが、それが成果につながったことが一度もないことが気になるところだ。
[STINGER]山口正己