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スティングくんの”そうだったのか!!”その4 ~なぜ、韓国GPはベスト・グランプリ・プロモーター賞を受賞したのか~

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韓国GPは、2010年のベスト・プロモーター賞に選ばれた。

101216sting_kunsost001.jpgモノにはふたつの観方がある。ひとつは、その瞬間の状態。もう一つは、長期展望に立ったときの様子。つまり、「いま」と「未来」とわけてもいいと思う。韓国GPが受賞したのはプロモーター賞なので、後者に向けてスタートしたことが審査の要素になったのだと思う。

でも、海外のジャーナリストたちからは、「韓国GPがベストプロモーターって、冗談じゃないの?信じられない」という声もあった。確かに準備不足は明確だった。雨でスタートが遅れてセーフティ・カー・スタートになった後でも17周も本スタートにならなかった。それは、路面の水はけが悪かったから。でも実は、その時点での雨は、セーフティ・カーに引かれて走っているクルマが巻き上げる水煙の凄さに比べて、雨の量はそれほどではなかったんだ。普通なら、セーフティ・カーを含む25台が周回して水掃きをすれば、大丈夫な状況でも、水はけが悪かったことで、レース・ディレクターは、ギリギリの安全を確認して本スタートをさせたんだけれど、マクラーレンのL.ハミルトンは、もっと前から、「もう大丈夫だから早くスタートしてほしい」と思っていたんだって。

ではなぜ海外ジャーナリストから「信じらんないゾ」、という意見が出たかといえば、それは、ひとつは、主催者に割り振られたホテルを、酷いと思ったからかも。主催者からのホテルの案内が届いたのは、9月後半、本番まで1カ月を切っていて、ぼくも一時は行くのを諦めようと思っていたくらい。

で、ギリギリに届いたその内容は、「コースまで20分のモッポの町の105ドルのモーテル、もしくは、コースからシャトルバスで1時間のクァンジュのホテル(170ドル)を選んでください」というもの。迷った末、モーテルはなんだか怪しかったのでクァンジュのホテルにした。結果的に、毎日片道が最低1時間半かかって、夕食のラストオーダーに間に合わなかった。そんな辛い状況でも、僕は、韓国GPは〇。なぜかというと、未来的なとっても新しい考え方で作られたGPだと思ったから。

韓国GPは、半パーマネント半市街地コースといわれていたけれど、荒野の中なのにどうして市街地か分からなかった。でも、現地にコースを見たら、疑問が解けたんだ。市街地コースになるのは7年後。街路の計画の中で、サーキットが最初に作られた。こんな壮大なアイデアを考えたプロモーターの思考回路は素晴らしいと思ったからなんだ。

コース図の赤い部分が市街地コース。危険だとして縁石を跨げなくする変更が金曜日の走行後に加えられた最終コーナー手前の半円形の部分が、なんだか不自然と思ったけれど、それは、街路を使うことになるから。来年春から始まる工事で、この周辺にはマンションが建つことになっているんだって。

もちろん、そんな荒唐無稽な計画、無理じゃん、という意見もあるけれど、プロモーターであるKAVO(韓国オートバレー・オペレーション)は、韓国政府から特別法案を取り付けて、すでに計地区のための予算をカバーしているというから、北朝鮮との関係や経済状況が極端に悪化しない限りOKのはず。

プロモーターとしての受賞を誰もが認めることができるのは街が完成する7年先だけれど、今からその”未来”が見えることを楽しみにしたいと思います。

[STINGER / スティング・クラム]
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