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【山口正己の提言】コロナ騒動とマスコミ その4

その3からつづく)

『トロッコ問題』

究極の決断というテーマに『トロッコ問題』がある。山の上から勢いよく下っている無人のトロッコがレールを暴走している。前方に2方向に分岐させるレールのポイントが現れた。そのポイント切り換えを託された人物の判断を問う問題だ。

ポイントを通り過ぎた先の片方のレールの先には逃げ場のない5人の作業員が立っている。もう片方のレールの先には1人の作業員が同じく逃げ場を失ったまま立ちつくしている。一方に切り換えれば5人が即死することになり、もう一方に切り替えれば人数は減るが1人が死ぬ。その状況の中で、もしもあなたがポイントを切り替える人物だとしたら、どちらを選びますか?という究極の選択だ。

資本主義での富の再分配は、こちらも究極の選択だ。だからこそ議論が絶えることがない。

究極の選択という観点から、トロッコ問題は政治理念や経済的価値観を超越しての富の再分配の是非を検証し、そのの答えを導き出せる材料となるのではないか。実は、トロッコ問題には「最適解」が存在するのだ。

◆富の再分配とトロッコ問題

それは「ポイントを左右に切り換えるのではなくて真ん中で中立にする」方法だ。ポイントを中立にすれば、トロッコは右にも左にもレール上を走ることができず、ポイントの地点で行き場を失って脱線する。トロッコが脱線すれば、5人がいるレールにも行かず、1人の命を奪うこともない。

リバタリアンとリベラリアンの富の分配に対する議論の「最適解」も、「中立」であること、ということになる。政治的にも右派、左派ではなく、資本主義でもなく社会主義でもなく、人々を救うといった観点のみで「中立」になることだ。

「ウィルスから人類の経済を守る」という理念を共有し合うこと。つまり「人類の非常事態において」を「中立の作用」として「富の再分配」を肯定するべき、ということだ。といっても、ビル・ゲイツやビリオネアの資産を奪うことではない。国家が「富の再分配」を果たすべきなのである。

人の意見は多様である。多様であるから対立や紛争も生まれる。けれど、対立していたり議論が膠着していてはスタックするだけだ。現在も新型コロナ・ウィルスの影響で経済はこう着している。相反する人々やテーマを融合させるには「中立」を用いることが重要なのだ。

さて、F1GPを現在の形にした功労者であるバーニー・エクレストンは、コンコルド協定という「中立」を用いた結果、F1社会が分断されることを防ぎ、その後のF1の隆盛の礎とした。これがいまの窮地を救う参考になるかもしれない。

その5につづく)

photo by [STINGER]

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