巧妙!! バレンシアにも寄付!!
全財産(泣)。
◆いつものように、ホテルから10分ほどの地下鉄駅Xativaまで歩いた。ジトッと汗ばむ暖かさ。切符を買って地下鉄に乗る。そこでジットリ ではなくて、ドバッと冷や汗が出たのである。
◆バックパックを背負って、スティングくんが入ったショルダーバッグを肩からかけて持っていたが、電車の中でフと気がついたら、ショルダーバッグの一番外側のチャックが開いている。ん??と思って中を確認したら、入っているはずの財布がない!!
この辺りで盗られたか?
◆クレジットカード7枚と現金のすべてと領収書が入っていた。念のため、バックパックの中を探したがあるはずもない。ユーロと日本円を合わせると、気絶する金額が入っていた(泣)。
◆ホテルを出たときに、部屋のカードキーを財布にしまったから、部屋に忘れたわけでもない。間違いなく、スリだ!! しかし、小さなショルダーバックにチャックがついた口が3つ。財布を入れたチャックの場所は小さくて、長財布の出し入れには多少の力が必要だが、まったくショックがなかった。そもそも、身体の横、腰の辺りにぶら下げているので、無理に出そうとすれば分かるはずだが、まったく気づかなかった。オレがマヌケなのか敵が巧妙なのか。ここでは、とっても巧妙だったことにしておきたい(泣)。
◆まず、駅員に事情を説明するが、英語の通じる駅員がなかなか見つからない。やっとのことで喋れる女性にたどり着いて状況を伝える。一応、警察への通報をお願いし、電話番号とメールアドレス、名前をメモして渡した。
◆日本に連絡して、プレスルームに到着するまでの間にカード会社の緊急電話番号を調べてもらっておいた。まずは片っ端から盗難届けを出してカードを無効にしてもらう。何社も電話するのでなるべく端的に手続きだけをお願いしたい旨伝えて、確認作業をしてもらう。1社を除いて、気の毒がって大変親切だった。型通りの対応しかできず、困っているこちらの事情ではなく、自分に責任が回ってこないようなことしか考えていない対応のその1社は、再発行をお願いせず、永久に使わないことにした。
◆一通りクレジット会社に電話が終わったところで、メディアセンターに事情を話して警察署を教えてもらった。問題は、駅と同じく、英語を話せる警察官がいることが考えにくいところだ。日本でも、英語が分かる警察官は多くない。しかし、親切なメディアセンターのオフィサーが、一人の美人を保護者としてお供に着けてくれた。スペインにも拾う神はいるのだ。
警察署はどこですか? メディアセンターのマーレ嬢が尋ねる。今回のために招集された警察官は、違う所を教えた(笑)。
ここではなかった。
暑いので、帰りは1台、貸してほしい。
盗難届けはここで発行してくれるらしい。
マーレ嬢がコワモテのお巡りさんに通訳。パスポートを別にしていたのはラッキーだった。次から、カードと現金も分けておこう。
◆警察で状況を説明して、財布の内容物を伝えて証明書を発行してもらった。最後に、お巡りさんにグラシャスと伝えたが、これはグラ謝すと書くのではないかと思った、という話は関係ないが、お巡りさんはF1のプレスパスを見て、明日はアロンソが勝つんだ、というので、いや、コバヤシだ、と言ったら、ノンノン、アロンソだと言い張ったのであった。どうでもいいけど。
◆ポケットには13セントしかないのである。ホテルに帰ることすらできない。某チームの知り合いに、借金を申し込む。「トイチだ」という威しはなかったが、明日と明後日の生活費を拝借した。
◆昨日はフェラーリに[ROSSO×ROSSO]から寄付し、今日は個人的にバレンシアに寄付した。悪いことの次にはいいことがある。ということで、バランスを取るために、明日は小林可夢偉が表彰台だな。可夢偉、頼んだぞ、オレに元気をくれ!!(泣)。
えっとぉ~、誰か、ヤマグチさんに恵んで上げてくださいな、とは言っていない(当たり前だ!!)。