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スーパーフォーミュラのタイトルかF1か?!

マレーシアGPでF1デビューを果たしたピエール・ガスリーの選択?!

21歳のフランス人ピエール・ガスリーが、スクーデリア・トロロッソのステアリングを握ってマレーシアGPからF1にデビューした。鈴鹿の日本GPでも引き続き、ブルーメタリックの美しいマシンのコクピットに座ることになっている。

そのガスリー、鈴鹿以降の4戦も継続してトロロッソからオファーがきているという話があるが、ここで、気になるのは、最終戦を残して2015王者の石浦宏明に0.5ポイントの2番手に着けているスーパーフォーミュラのシリーズポイント。スーパーフォーミュラのチャンピオンか、F1か、というわけだ。

シリーズタイトルは重要だ。しかし、捨ておけない特殊な事情があれば話は別だが、それがF1へのステップならば、すでにF1を決めているガスリーの選択肢は100%F1だろう。

以前、将来を嘱望されながらアクシデントで亡くなった萩原光が、国内でF2とGCをやるか、それともヨーロッパF2かの選択に迫られ、萩原は国内を選んだ。将来を考えると賢い選択と言えたが、ファンとして複雑な想いになったことを思い出す。

1988年の日本GPにラルースから電撃参戦した鈴木亜久里が、次のオーストラリアGPに参加できるかどうかが日産の判断にかかっていたことがあった。所属していた日産ワークスが参戦するグループC、WECの耐久レースが同じ日にあったからだ。結果的に亜久里はオーストラリアGPに参戦しなかったが、このときも複雑な思いを抱いたものだった。

もちろん、将来の人生設計を深慮し、自らの可能性を量って、慎重に進路は決めるべきではある。ケースbyケースで、常にF1でなければならないということはないかもしれないが、ピエール・ガスリーの立場では、選択肢はトロロッソしかないだろう。ガスリーがスーパーフォーミュラのタイトルを選択するだろうか。ガスリーは、常々、「自分がここにいるのは、F1のワールドチャンピオンになるためだ」と言っている。

日本という、西洋の世界地図では右端に追いやられているというある種特殊な環境を考えると、日本が真ん中にあるのが世界地図の常識である日本では、スーパーフォーミュラかF1か迷うところかもしれないが、今回のガスリーの“選択テーマ”は、日本の判断基準が、いつものように世界基準からははずれてしまっていることを、日本人の我々が考えるいい機会かもしれない。

photo by REDBULL

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