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たったの顔面麻痺・その2 『スペイン語を覚えた』

鏡の中の動かない顔を見て、バルセロナ・サーキットのプレスルームから国際電話。弟が歯科医の友人K澤に、神経科医を紹介してもらおうと思ったのだが、「同級生のS水がいるじゃいか」とK澤。「折り返し連絡する」と頼りになる返事だが、すでに日本は夜。しばしやきもきしているところに女房からメールが入った。考えたら、K澤にこちらの携帯電話の発信番号を伝えていなかった。慣れないと国際電話は面倒だ。

“K澤さんから電話がつながらないと連絡あってビックリです。とにかく休むこと。ビタミンBとステロイド剤、手に入ったら睡眠薬を飲んで寝ろ、とのことです。なんにも出来ないけど、がんばってね”。アリャ、内緒にしていたのに。心配させてゴメンナサイ。

スーパーアグリF1をテストした井出有冶のF1初体験原稿を上げて、とにかく寝る。しかし、寝ようとすればするほど寝られない。素直な性格に生まれたかったなぁ、って冗談言っている場合じゃない。

悶々とした一夜が明けた翌朝、女房のメールにあった薬を薬局に買いに行く、問題は、ここがスペインてことである。ビタミンBはなんとか通じるはずだが、ステロイド剤ってなんて言うんだ? インターネットの検索にステロイドと入れ、翻訳機能を使ってまず英語にし、それをスペイン語にしてみる。”esteroide”らしい。似ているから多分これだろう、って薬ってだいたいのもんか?  一応メモして薬局へ。下がった顔をみれば薬剤師が分かってくれるだろう。

ホテルで薬局を聞くが、小さなホテルなので、ドラッグストアーが通じない。いろいろやり取りしているうちに”ファーマシー”だとわかった。幸いホテルの近所にあった。何とか通じてゲット。しかし、それがステロイドだという証拠はどこにもない。が、飲むしかない。睡眠薬は寝ている人の絵が描いてあるので多分当たっている(当たり外れかい)。ともあれF1のテストを欠席してホテルで寝ることにする。遠くにエキゾーストノートが寂しそうに聞こえる。いつもは便利なバルセロナ・サーキットに隣接するホテルが恨めしい。

しかし、スペイン語をふたつも覚えられた。おまけに、マスクは売ってなくて、どうやらこちらでは重病人しかマスクをしないらしいことがわかった。さらに、眼帯。日本みたいに耳に掛けるタイプは存在しない。楕円形の絆創膏を貼り付ける。余計目立つ。国が違うとマスクも眼帯も違うってことも覚えた。顔面麻痺にならなければ知らずに一生が過ぎたに違いない。


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