自動車殿堂入りされた宮川さんに感謝
久々に感動した。渋谷で開催された宮川秀之さんの自動車殿堂受賞記念パーティーに呼んでいただいた。料理がとても美味しかったのだが、用意されたワインがまた素晴らしかった。そのワインは、宮川さんがイタリアで作っているものだった。
ワインが素晴らしく美味しかったことでハタと、クルマとワインの共通点に気がついた。
宮川さんがクルマのデザインに邁進したのは、世の中の人に綺麗なクルマを提供したかったからに違いない。宮川さんは、「世の中を変えたかった」のだそうだ。きれいなクルマを送り出すことで、世の中の価値観を変えたかった。
ワインを作ったのは、世の中の人に美味しいワインを届けたかったからに違いない。宮川さんは、同じ感覚で、クルマもワインも届けてくれた。そのクルマとワインで、みんなが幸せになった。そういうことだと気がついた。
パーティの最後に、長男のマリオから、この日のためにイタリアから参集したメンバーも含めて、宮川ファミリーが紹介された。ここに参加できなかった数人を入れると総勢28名。作品という表現はのはおこがましいけれど、宮川さんが送り届けたとても楽しいファミリーだ。そしてマリオは、「28人だけではなくて、ここにいる人も全員ファミリーです」、と泣かせるコメント。そうか、宮川さんか作りたかったのは、クルマもワインも、そしてファミリーも、こういうことだったのか。
本当のデザインや美味しいものは、地球の平和に繋がるのだ。宮川さんの自動車殿堂入りは、ワインにも通じ、ファミリーにも通じ、そして世界の平和にも通じる。
F1の世界で知り合って親しくしてもらっているマリオが“お父さん”に「F1でお世話になっている山口さん」と紹介してくれたとき、お父さんは、「私が一番やりたかった世界なのです。それを彼がやってくれている」と握手をしながら仰った。長男を立てるだけでなく、世界を極めた自動車デザインよりもやりたかったことと、F1を立ててくれた。つまり、私のことも慮った言葉と思って頭が下がった。
宮川さん、おめでとうございます。そして、ありがとうございます。この“ありがとうございます”は、素敵なクルマと美味しいワイン、素晴しい家族、さらには、自動車が基幹産業である日本に届けたいと思います。
クルマが好きで本当に良かったと心から思ったのだった。