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マックス・フェルスタッペンのアクシデントでモナコのリスクを考える

いまも50年前も、モナコのリスキーさは変わらない。写真は、1965年のホンダRA272を駆るリッチ・ギンサー。

モナコGPのフリー走行3のプールサイド・シケインでマックス・フェルスタッペンのレッドブルがクラッシュした。予選に向けてシミュレーション・アタックの真っ最中の出来事だった。

フェルスタッペンとダニエル・リカルドが激しいツバ競り合いを展開していた。ご当人は極限まで集中していたから、相手のことなんか眼中になかったかもしれないけれど、少なくとも外からは二人が争っているように見えた。モナコのコースは狭くて抜きどころがない。どのグリッドからスタートするかが肝心、というより、抜けないから前からスタートしたい。

F1デビュー戦で3位表彰台に乗り、2年目に優勝し、4回ポールポジションを奪っているジャッキー・スチュワートは、「モナコで勝つのは簡単だ。ポールポジションを取ればいいだけだ」とイギリス人らしいジョークを飛ばした。それくらいグリッドポジションは大切だ。ダニエル・リカルドもマックス・フェルスタッペンも当然、それをよく知っていた。

だから、ポールポジションがほしかった。もちろん、“ドライバーズコース”と言われるドライバーの能力が高く評価されるモナコでのポールポジションはその意味でもテンションが上がる。そして、狭くリスキーな舞台は、ドライバーの脳内にアドレナリンを大量分泌させ、いつも以上に果敢な走りが披露される。予選に向けて、フリー走行3の残り20分になると、テンションは限りなく高くなり、そんな状況でマックス・フェルスタッペンはアタックに入っていた。

“現場”は、モナコ湾を左から右、そしてさらに右-左と大忙しで曲がり込むプールサイド・シケイン。ガードレールで全コーナーがブラインドだから、曲がったところになにかがあると速くは走れない。

その状況で、プールの角を左-右と瞬時に切り返したプールの底辺部分で、フェルスタッペンは、クールダウン中のサインツのルノーを発見、一瞬、そちらを見たのではないか。少なくとも、黄色いルノーに反応した。右のガードレールにフロントタイヤが当たったのは、次の瞬間だった。

右フロントサスペンションが壊れ、タイヤがあら方向を向いたレッドブルは、次の左コーナーを曲がれずに左側のガードレールにぶち当たった。

予選まで2時間。レッドブルのメカニックは突貫工事を行なったが、残念ながら、リヤもガードレールに叩きつけられたレッドブルを修復仕切れず時間切れ。フェルスタッペンは予選を走れず、チームメイトやライバルのアタックをピットのモニターで眺めることになった。

ジャッキー・スチュワートの言葉は正しい。しかし、そうするためには、リスクを抱えながら限界で予選アタックをしなければならない、これもまた真理。モナコがドライバーズコースと言われるのは、そのギリギリをコントロールした者だけに勝利の権利が渡されるからだ。

そして、明日のレースがどうなるかまだ分からない。ピット作業でひっくり返されないようにするためには、十分なマージンを作っておきたい。どんなに狭いコースでも、ピットインの間は十分に追い越しができる。

今年のモナコでフェルスタッペンの仕事はほぼ終わってしまったかもしれないが、ポールポジションからスタートするダニエル・リカルドの仕事は、まだ終わっていない。

[STINGER]山口正己
photo by Honda

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