F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

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	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

F1が面白くないと言う方々へ

◆今年のF1は凄まじく面白い。これは私個人の意見ではあるけれどここまで消化した全10戦のどのサーキットを観ても、観客が鈴なりのスタンドからしてF1人気が世界的な盛り上がりを見せていることを伺える。第10戦シルバーストンには、日曜日だけで140,000人 (14,000から修正)以上が詰めかけていた。

◆元々、自動車レースは、他のスポーツに比べて、楽しむために状況認識が必要だ。もう少し平滑に言えば、知らないと楽しめない。たとえば、シルバーストンのイギリスGP、特に最後の5分には、スペクタクルがギュウギュウ詰めで、何度観ても痺れる展開を魅せてくれたが、フェッテル+フェラーリがボッタス+メルセデスを追い落とす場面をドキドキしてみるためには、以下のような“要素”を理解している必要があった。

*まず、高速だと運転が難しくなり、リスクが大きくなること。
*シルバーストンは飛行場跡地であり、吹きっさらしで風が吹き、高速になると風の影響が大きくなってリスキーなこと。
*追い越しにはリスクが伴い、高速コースでは一か八かの賭になりかねないこと。
*ここまでメルセデスが優位だったが、ここではギリギリにフェラーリが食い下がっていたこと。
*早めにピットインしたボッタス+メルセデスのタイヤが、後からピットインしたフェッテル+フェラーリのタイヤよりヘタっていたこと。
*フォーミュラカーは、タイヤがむき出して、接触すると非常に危険であること。
*シルバーストンは、時速300km/hでアプローチするコーナーを含め、バトルには危なっかしさが山盛りであること。
*その危険をコントロールして闘うところがフォーミュラカーの醍醐味であること。
*セバスチャン・フェッテルは、ルイス・ハミルトンとシリーズポイントを争っていて、リードしているもののいつ逆転されてもおかしくない状況であること。
*フェッテルはレッドブルでしかワールドチャンピオンになっていないので、違うチーム(フェラーリ)での戴冠したいはず、ということ。
*現在フェッテルは、ハミルトンと同じ4回のワールドチャンピオン。ハミルトンより先に5回にしたいはず、ということ。
*そのハミルトンがスタート直後にライコネン+フェラーリに追突されて最後尾に落ち、そこから鬼神の追い上げで3番手に着けていたこと。
*イギリス人はハミルトン一人だが、観客の人気は絶大だが、実はフェラーリ・ファンも相当な数が存在すること。
*イギリスGPでフェラーリは長い間勝てていないこと。
*最終コーナーのBRDC(ブリティッシュ・レーシング・ドライバーズアソシエーション)のビルから往年のレジェンドが観ていること。
*暑いイギリスGPは珍しく、最後までタイヤが持つかどうか気になっていたこと。
*ここ数年、姿を消していたエンジンから白煙を巻き上げるリタイアが散見されるようになり、ここでもルノーが盛大に白煙を上げたこと。
*それはパワーユニットが極限まで追い込んだ開発がなされている証拠であること。

◆書き始めたらキリがないが、要するに、面白く観るためには、それなりの学習が必要なのがモーターレーシングだということであり、面白くない、とおっしゃるのは、勉強不足の裏返し、ということ。悪しからずだけれど、1週間おいた7月22日決勝のドイツGPは、あれこれ知識を総動員してご覧になることをオススメします。

◆正直言うと、トロロッソ・ホンダがもうちょっと前を走ってくれると、上記の項目に強烈なモチベーションが加わって、“面白いね”ということになるはずで、そろそろトロロッソ・ホンダに、女神が微笑んでくれてもいいころだ、というほのかな期待をいだいている私でもありますが。

Photo by PIRELLI

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