リカルドとニューウェイはセット?!
ダニエル・リカルドのレッドブル離脱の理由は、若いマックス・フェルスタッペンがナンバー1になるのをリカルドが嫌ったため、といわれている。二十歳の少年の下働きなんてゴメンだよ、というのは、当然と言えば当然だ。もちろんこれはリカルドが認めたことではなく、リカルド自身は、“新しい環境で闘いたかった”と言っている。
たしかに、レッドブルで5年目のシーズンを闘っているリカルドにとって、新しい“刺激”がほしくなる頃ではある。これまでレッドブルでは、それぞれの“顔”としてステアリングを握ってきたドライバーは、デビッド・クルサードが5年、フェッテルが6年、ウェーバーが7年でチームに別れを告げている。
もっとも、栄枯盛衰の世界であれば、10年以上も天下が続くわけもなく、いずれ新天地を求めることになるのだが、レッドブルの場合、もうひとり、新しい環境を求めているのではないかと思える人物がいる。デザイナーのエイドリアン・ニューウェイだ。
一時、ニュウェイがルノーに行くという噂が立ったが、その後、元の鞘に納まったという話も聞こえてこない。つまり、ニューウェイは、新しい環境、つまり、ルノーでの仕事に興味を惹かれているのではないか。
さらに、ルノー・エンジンが壊れることに苦言を呈したクリスチャン・ホナーの言葉をまったく意に介さないルノーのアビデブール代表の強気も、ニューウェイを獲得を有利に進めているからではないか。そう考えると、ダニエル・リカルドの移籍先がルノーであることがすんなり納得できてしまう。
11日と12日、ニューウェイが出世作を送り出したレイトンハウスの赤城明代表の通夜と告別式の会場で、そんな噂が囁かれていた。
ミハエル・シューマッハは、ロス・ブロウンを連れてベネトンからフェラーリに移籍し、成功を納めている。
[STINGER]山口正己
photo by [REDBULL