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	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

改めて、フォーミュラEの“なぜ”を考えてみる

マシンは格段にかっこよくなる。

◆とても不思議だ。フォーミュラEのバランスが気になってしょうがない。バランスとは、フォーミュラEから感じるポテンシャルと、協力企業の数と大きさ。どうみても不釣り合いだ。

◆フォーミュラEを応援する企業は、EV関連はもちろんとして、ミシュラン、TAG Heuer、ルノー、アウディ、ジャガー、メルセデス、ポルシェなどなど。そもそもFIAのジャン・トッドの肝入りだ。

◆将来を考えると、EVだから? それはわかるが、それにしても、FIAも関連メーカーも異様な応援ぶりと思うのは、私だけなのだろうか。居並ぶ応援企業は、競技のポテンシャルにどう見ても釣り合わない。

◆そもそも、モーターレーシングの醍醐味は、危なっかしいことだ。危ないではなくて、危なっかしい。ここが肝心なのだが、現状のフォーミュラEには、危なっかしさがまったく足らない。それは、2台のマシンを乗り換えなければならないバッテリーの容量の問題もあるけれど、スピードが低いことが大きな要因だ。コースが狭いのは、市街地だからと多くの人は疑問を持っていないようだが、ポテンシャルが低く、スピードが低いGP2流用急造マシンのレースを、速く見せるための工夫のため、と思うのは穿ちすぎか。

◆いや、将来を見て考えられている、第二世代のマシンはイケてるじゃないか、という意見は当然あるけれど、ここでいう“将来”とは一体なんだろう。

◆自動車は、今後、環境とエコ、そして安全の問題をクリアーしていかなければならない。これは当然のことだが、当然がゆがんで広がっていることもある。ドイツやイギリスのメーカーは、“2030年には内燃機関を作るをやめます”と言っている。化石燃料がもうすぐ尽きる、というのを聞くと、いたしかたなし、と思うけれど、実は化石燃料が尽きるというのはかなり疑わしい。30年ほど前に、“あと30年”といわれていた石油が、つい先日“あと40年”になった。なんで増えるの? 要するに、石油の価格をコントロールするために、誰かが印象操作している、という説の方が説得力がある。化石燃料はなくならない、というのがどうやら正しいようだ。

◆ただし、事実はそうでも、“世間の理解”はなかなかそうは広がらない。温暖化も同じ。むしろ氷河期に向っているという説もあり、少なくともどちらかわからないというのが正しい判断のはずなのに、多くの人は、温暖化が正しいと信じ込んでいる。

◆こうした“世間”の中で、EVは正義のクルマに見える。将来の方向として、ディーゼル/ハイブリッド/EVの3つがあった。少なくとも数年前まではその流れだった。そうして分けたとき、正義に見えることは、政治的にも大切。EVが正義に見えるのは、いいイメージがあるからだ。しかし、本当にそうなのかどうかを検証すると、必ずしもEVは正義ではないかもしれない。

◆例えば、総てのクルマがEVになったとき、充電がどれだけの電気を消費するかを考えるとちょっと怖い。EVを廃車するとき、バッテリーの処理はどうするのかをきちんと考えられているのだろうか。そもそも制作過程でどれだけエコではないかの検証がなされているのだろうか。つまり、手放しには喜べないはずだが、世の中の流れはEVは正義のクルマだ。

◆翻って、ディーゼル/ハイブリッド/EVのイメージを見ていくと、大方以下のようになる。
*ディーゼル—-古い、汚い、排気ガス、ドイツを中心とする失敗
*ハイブリッド—-やや未来的、複雑、日本の得意技
*EV—-クリーン、未来的

◆あくまでイメージだが、このイメージを払拭するのはかなり難しい。フォーミュラEは、そこを逆手にとって利用しようとしていると思える。何故か。

◆内燃機関は、過去のもののようなイメージがあるが、ディーゼルは、VWやメルセデスの失策で、いまや忘れられた存在といってもいい。ガソリンを含み、内燃機関はまだまだ進化できる明るい未来があるはずだが、イメージとして終わったと烙印を押されてしまった。間違っていようが、一度押された烙印を消すのは簡単ではない。

◆では、ハイブリッドはどうか、といえば、欧州から見たとき、熱心に研究開発を続けてきた日本のトヨタとホンダに勝負できないという結論になりそうだ。ハイブリッドが圧倒的に強いWECから、アウディが辞め、ポルシェが手を引いた裏には、その理由があったのではないか。

◆そこに拍車をかける形で、欧州が総力を上げて取り組んでいるのがフォーミュラEという図式が完成する。つまり、フォーミュラEは、日本潰しの政治的カテゴリー、ということだ。EVなら日本に勝てる、ということか。

◆さらにフォーミュラEの広がりは、別の観点からもレーシングな世界から遠のいている。そこについては、明日。

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