5円店のスエさんへの懺悔
◆フェイスブックで駄菓子屋の話で盛り上がった。故郷の相模湖は、“神奈川のチベット”と呼ばれた過疎地で、そもそも駄菓子屋という表現はなく、“5円店”と呼んでいた撥ね上げ式の雨戸をつっかえ棒で留めた貧相な店が近所にあった。紐の先に付いている大きさの違う円錐形の飴、紙の蓋を破ると中に大きさの違う甘納豆の袋が入っているくじ引きなどなど、おおむね、5円の駄菓子が売られていた。
◆スエさんというおとなしそうな優しいおばさんがやっていた店だったが、そこで、スエさんが向こうを向いている間に、しばしばチョコレートを失敬していた。人のいいスエさんは、気付かないと思い込んでいたのだが、20年ほど経ったとき、米屋さんに転身していたスエさんから米を買っていたお袋が、昔話になった流れの中で、言われた言葉で顔から火が出るほど恥ずかしかったという。
◆スエさんは、「まぁちゃんは、よくチョコレートを持ってったなぁ」と言ったと言うじゃないのm(_~_)mm(_~_)m。
◆見て見ぬふりをしてくれたスエさんに、生前にお伝えできませんでしたが、この場を借りて、お詫びします。ごめんなさい、そしてありがとうございましたm(_~_)m。