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	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

クラッシュ・ゲート

以後、F1を去ったフラビオ・ブリアトーレ。

◆シンガポールGPといえば、外せない“事件”がある。2008年、初めてのナイトレースで、ルノー・チームがとんでもない操作を行なった。チームのネルソン・ピケJr.にクラッシュするように指示し、ピケがそれを実行してセフティカーが導入され、そのタイミングを利用してフェルナンド・アロンソがピットインして優勝した、という疑惑が持ち上がった。

◆フェルナンド・アロンソは、予選を失敗して15番手からスタートしたが、絶妙のタイミングでピットインしてタイヤを交換した。絶妙に見えたが、それはピットインのタイミングではなく、そのタイミングにセフティカーを入れた“奇策”の勝利、ということだった。

◆ルノーのフラビオ・ブリアトーレと作戦参謀を務めたパット・シモンズはそれを否定せず、永久追放と5年間の出場停止処分を受けた。これが通称“クラッシュ・ゲート”だ。ブリアトーレは、オートポリスやマイルドセブンとの関係で日本とも馴染みが深い存在だが、以後、F1から身を引いた。

◆それにしても、クラッシュを命じてセフティカーを出動させる、という前代未聞の“奇策”を思いつくだけでなく実行してしまう辺り、優しくまじめな日本人ではとうてい思いつかない。さらに、二人の首謀者に対する永久追放と5年間の出場停止は、その後、軽くされたようだが、ここにも“政治”が絡んでいた。

◆当時、ホンダやBMWのF1撤退が話題になっており、ルノーの撤退を恐れた結果の裁定だったのではないか、というものだが、考えてみれば日本でも、夜祭には、裏の世界が付き物。それも含めてお祭りということで。

photo by Jiri Krenek/activepictures

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