強すぎることの弱さ
◆山本“KID”徳郁さん死去のニュースに驚いた。まだ41歳、あんなに強い人だったのに。ガンには勝てなかった。
◆いや、ガンに勝てなかったというのは若干ニュアンスが違う。強かったからガンに勝てなかった、というべきかもしれない。医学はずぶの素人だが、オヤジが血液のガンと言われる白血病で亡くなったときに、とある発見をした。発見といっても、単なるに思い込みかもしれないし、専門家は、そんなバカなことはない、というかもしれないが、ガンと闘う人がなぜ痩せていくかが分かった気がした。
◆元々痩せぎすだったオヤジがやせ衰えていくのを見るのは辛かったが、発病して入院した2月中旬に、「3日の命」と医者に宣告されたが、亡くなったのは6月末。4カ月も生きて医者を驚かせた。その中で思ったのは、痩せることが闘いだということだった。素人は、こう考えた。
◆ガンは、肉体をついばんで勢力を大きくしていく。ついばまれるから痩せる、と思っていたが、本当は反対ではないか、思った。ガンに養分を与えないために、痩せていくのではないか、と。つまり、身体が元気だと、ガンも育ってしまうことを身体が知っていて、痩せることで養分をガンに与えずにやっつけるために痩せていくのではないか、ということだ。つまり、身体が強いほど、ガンが勢力を大きくする。それをくい止めるために痩せて応戦しているのではないか。
◆山本“KID”徳郁さんは、非常に強靱な肉体の持ち主だった。ライバルだった格闘家の魔娑斗さんは、「どんな相手にも立ち向かって行ったファイティングスピリットで今回も勝つことを祈っています。山本“KID”徳郁のあつい試合をみたい。神の子がんばれ」とエールを送った。まったく同感。もう一度あの試合を観たかった。しかし、強いからガンの成長が早かった。もっと弱い奴ならもって生きしたということかもしれない。
◆神の子らしく、太く短い人生だった。それにしても、41歳はありまに若すぎる。神の子、永遠なれ。
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