ボッタスvsハミルトンのファステストラップ合戦
◆日本GPの中盤、53周レースの20周あたりから、バルテリ・ボッタスとルイス・ハミルトンが交互にファステストラップを塗り替えるシーソーゲームを見せた。最終的に、セバスチャン・フェッテルのフェラーリが記録した1分32秒318がこのレースのファステストラップになったが、中盤のタイム合戦は見物だった。
◆というのは、前戦のロシアで、バルテリ・ボッタスとルイス・ハミルトンの“冷戦”が勃発していたからだ。ボッタスは、チームの指示でハミルトンにトップを譲った。「本当はボクが勝っていた」というのがボッタスの言い分で、だから最も難しいといわれる鈴鹿でボッタスは、自分の速さを証明したかった。
◆しかし、ここでもハミルトンの勝ちだった。二人のファステストラップは、
ハミルトン:1分32秒785に対してボッタス:1分33秒110。
◆ちなにみ、メルセデスの二人は、3種類のピレリのうちで最も硬いソフトタイヤでの記録だったのに対して、フェッテルは中間の柔らかさのソフトタイヤ。その差がメルセデスとの差となったと考えられるけれど、同じミディアムタイヤでのハミルトンとボッタスの差は0.325秒。単純な比較はできないかもしれないが、小さい差ではなかった。
◆鈴鹿サーキットという屈指の難しさを誇るコースでの差。ボッタスが遅いのではなく、ハミルトンが速すぎるのだけれど、ボッタスの心中を思うと、勝負の世界の厳しさが忍ばれる。
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