F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

F1の前の道筋

◆2018の国内ダブルチャンピオンの山本尚貴が、アブダビGPを視察して、「F1に出たい」と思ったと言う記事を見た。日本人として嬉しいことだが、出遅れ感は免れない。
◆山本尚貴は、今年のスーパーGTとスーパーフォーミュラのチャンピオン獲得で、持ち点を40点とし、F1参戦のためのスーパーライセンス取得基準を満たした。国内では、平川亮、中嶋一貴、小林可夢偉だけが持つF1出場権だ。それ以前に、叩きあげで苦労もしており、テクニックも人柄も素晴しい。だが、ひとつだけF1ドライバーになるには足らないことがある。海外レースの経験がなく、ヨーロッパの水に慣れていない、ということだ。
◆ヨーロッパの水とは、サーキットを走っていない、と言うことだけではない。訪れたことがないコースで何が起きるかといえば、まずはトイレの位置から必要最低限のことを覚える必要がある。これは、たいしたことに感じないかもしれないが、実際に経験すると、そういう日常をエネルギーを使わずにこなすようになるにはそれ相応の時間がかかる。ドライビングに高いレベルで集中すべき存在が、サーキットでトイレを探してキョロキョロして不安になるようでは話にならない。心身ともに完璧な状況にして初めてするのがF1という世界だ。
◆ヨーロッパの階級社会に対する認識や慣れも必須。そして、ドライバーのポジションのあり方も、日本との違いを体感しておくべきだ。ヨーロッパの連中は、日常的にそれを体験してF1にステップする。力の差が出るのは当り前だ。
◆山本尚貴がF1に行きたい、と公表したのが、アレキサンダー・アルボンがトロロッソ・ホンダと2019契約を発表した日、というのは、ホンダ陣営としてはあまりにも無防備な気もするが、それはそれとして、スーパーフォーミュラのチャンピオンとして、F1行きを公言することは、“道”からいっても正しい流れだ。しかし、ではあってもいきなりF1は、無理。モーターレーシングがもともとチーム戦であり、中でもF1はそれが完璧なものであることを考えると、仮に来年F1のシートに座ったとしても、単に座っただけになる。
◆これが、日本人初のフルタイムF1ドライバーとして中嶋悟がデビューした1987年の話なら、出るだけでバンザイだったが、すでに30年前の話だ。時代は変わり、日本のポジションも変化している。ファンの立場からしても、参加するだけで満足できた時代はとっくに終わっている。
◆そこで提案。2019年にFIA-F2に参戦して、再来年のシートを狙う、という方向でお願いしたい。物見遊山ではなく、きちんとした道筋でF1に乗り、持てる能力相応の結果を出すためには順番が必要だ。
◆30年以上前でさえ、中嶋悟はその前に、生沢徹によってヨーロッパF3を経験し、さらにホンダのサポートでヨーロッパF2に参加した。さらに、参加することにこそ意義があった中嶋悟の場合と、今回は違う次元の話になっている。F1GPが、個人的に思い出作りをする場ではないことは、山本尚貴じたい理解していることと思うが、取り巻きの、特にホンダ陣営が道を間違わないで進んでほしいと心から思う。

photo by Honda

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