F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集 F1 STINGER 【スティンガー】  > F1に燃え、ゴルフに泣く日々。 >  >     『硬い白/中間の黄/柔らかい赤』–シンプルisベスト

	F1で巡りあった世界の空。山口正己ブログ

『硬い白/中間の黄/柔らかい赤』–シンプルisベスト

きれいだけれど、こんなにあったらわからない。ただし、ピレリは7種類を用意しなければならないけれど。

◆進化の中で、基本が忘れられていた、という見本を、来年のタイヤが示すことになりそうだ。2019 年のレースで使用されるタイヤのカラーが、3種類だけになる。ビジュアル的には寂しくなるが、分かりやすさは大進化だ。

◆ホワイト/イエロー/レッドが、左から右に、最も硬い→中間→最も柔らかい、となる。日本語に直せば、タイヤの固さは、『硬い白/中間の黄/柔らかい赤』、とっても単純。

右に行くほど柔らかい。2019年には、『硬い白/中間の黄/柔らかい赤』だけ知っていればいい。

◆各レースにピレリから、7種類の中から3種類が供給されるのはこれまでどおりだが、7種類の個々の色が廃止され、白/黄/赤さえ覚えれば、タイヤの固さが理解できる。どうしてもっと早くこうしなかったのか、と思えるほどだ。

◆これまでは、レース毎に以下のような“説明”が必要だった。

例えば、モナコGPで使用されるレッド(ソフト)は、シルバーストンや鈴鹿用のレッド(ソフト)とは実質的に異なるコンパウンドになります。知らない人には何のことかわからない。これが要らなくなるだけで、タイヤの戦略が理解しやすくなる。『白/黄/赤』と、右に行くほど速いタイムが期待できるが、持ちが悪くなる。色分けも、色が強いほど柔らかいと解釈できて分かりやすい。

◆とは言っても、各グランプリ前に、各ドライバーが、3種類をどう配分するかを考えるので、チームやドライバーは、相変わらず複雑な戦略を立てることになり、その当たり外れがレースの行方を左右することはいままでと同じ。そして、相変わらず7種類を用意しなければならないピレリの仕事は、変わらない。

◆いっそのこと、3種類にしちゃえばいいと思うけど、なかなかそうもいかない。タイヤが複数存在することがレースを面白くする、という理屈は間違ってはないが、むしろ種類を減らせば単純になる分、誰にでも戦略が読めて面白くなる気がする。けれど、戦略が単純になると、“予想外の展開”が起きづらくなって、速い者が速い、という単調な結果になるけれど、いまでもそのことは変わりない気もしたり。

◆日進月歩のF1は、2019年には新たなテクノロジーの進化が期待できるが、最新の情報よりも、タイヤが理解しやすくなることで、親しみ深くなること期待したい。

◆ピレリのカーレーシング責任者であるマリオ・イゾラは、「タイヤカラーレンジについて、これまで各チーム、FIA および Formula 1 と議論を重ねてきました。この新しい方式は、特にテレビを通じて、タイヤの違いを容易に伝えることと、各レースで使用されるコンパウンドの詳細を明確に示すことを目的としています」とコメントした。仰々しいこのコメントが、“いままでややこしかったことを簡単にしました”と翻訳して、思わずニヤついてしまった。

photo by 【STINGER】/PIRELLI

記事が役に立ったなと思ったらシェアを!

PARTNER
[協賛・協力企業]

  • CLOVER